「いつも見てるでしょ」

 

 

「暗いからそんなに見てないもん」

 

 

小さな声で言い訳のようなことを言う

 

 

「風呂上がりとか、見てるよね」

 

 

トレ-ニングした後とか

 

 

そういうことした後とか

 

 

「・・・あんまり見てない・・・」

 

 

思い出してみると、目が合うと視線を逸らすようなことが多かった気もする

 

 

風呂上がりの俺が部屋に行くと、チラッと見てすぐテレビや雑誌に視線を戻すというか

 

 

「そんなに見たいもの?」

 

 

「ファンはみんな見たいって思うよ!」

 

 

握りこぶし

 

 

前にもこんな会話、あったよなぁ

 

 

「まぁ、そういう役が来たらね、脱ぐけど」

 

 

演技の上で脱ぐことが必要なら、当たり前だけど脱ぐ

 

 

「・・・・・・・・」

 

 

「なぁんでそんな不満気なんだよ~」

 

 

諦めたような、希望をなくしたような目

 

 

「ほんっと、准君は担当の気持ちがわかってないっていうか・・・」

 

 

肩を落として、ブツブツ言ってる

 

 

「・・・・一緒、風呂入る?」

 

 

「なっ?!なんで?!」

 

 

ガバッと上げた顔は、桃色で

 

 

「裸、見たいんでしょ」

 

 

「見たいっ、けど、そうじゃなくって」

 

 

そうじゃなくってって、どういうことなんだか

 

 

女心もファン心理も、どうも理解できないことが多い