「・・・・・・・両方使って、比べてみる?」

 

 

箱から一つずつ取り出したそれを、指に挟んで私に見せる

 

 

 

「どっちかで・・・いい」

 

 

両方ってことは、二回するってことだよね

 

 

 

「んふふ・・・・・・・遠慮しないで。俺、頑張るから」

 

 

 

整った顔が、ニヤニヤした笑みを浮かべる

 

 

 

「私、頑張れないからっ」

 

 

だって・・・・・・・今朝もしたんだよ

 

 

昨夜も・・・

 

 

「○○は、寝てていいよ」

 

 

寝ててって、いわゆるマグロ状態ってこと?

 

 

普段からそんな気がするんだけど

 

 

私は彼に愛されて、鳴くばかり

 

 

彼に快感を与えるなんて、出来てないと思う

 

 

「ちょっと手、あげて」

 

 

いつのまにか横に来た彼に、肩を抱かれベットに座らされている

 

 

言われるままに両手をあげると、ジジジ-という小さな音をたてて、ワンピ-スのサイドファスナ-を下ろされた

 

 

ワンピ-スを脱がされるかと思っていたのに、彼の手がそのまま開けたところから滑り込んできた

 

 

ゆっくりと撫でるように背中に手がまわり、背骨の数を確かめているかのように指でなぞられる

 

 

 

私はそれだけで声が漏れそうになるのを、必死で耐える

 

 

フワッとッ空気が動き、彼の形のいい唇が私の耳に触れる

 

 

「声、聞かせて」



甘く深い命令を出された