「〇〇と使うためのものだから」
さっきまでの慌てたような態度はすっかり消え、深く甘さを含んだ声で言われた
少し上目遣い
白目の部分が発光してるかのように、きれい
だからもう私は何も言えなくて、そしたらそんな私をゆっくりと立たせ寝室へと誘う
ベットの側に来たら、思わず引き出しが目に入ってしまった
その私の視線に気付いた彼が、引き出しの方を顎でクイっと指して
「選ぶ?」
って聞いて来た
「ぅぇっ?!い、いい、いい。いいよ。いらないっ」
「……つけなくていいの?」
「えぇ?!あ、違う、そうじゃなくて、いらないって、だから、私は選ばないってことで」
私をベットの横に残して、彼は引き出しの前に行き、そのきれいな指でスゥッと開けた
下に向けられた目に、けぶるようなまつ毛がかかっている
2、3回瞬きをして
口元に手がいき、指先が唇をなぞる
「落ちてたのって、1つ?」
指が箱にかかり、1つ手にした
「……あ…の…」
素直に2つと言えばいいだけなのに、うまく言葉が出てこない
声を出すように、喉に手をあてた私を見て
「…2つか」
って呟いた
「〇〇は、どっちがいい?」
くるりと体を反転させ、私の方へ両手を差し出す
右手に0.01
左手に0.02
そんなのわからない