「留守中、何かあった?」
少し考えたけど、やっぱりうまく聞き出せる気がしないから、いつも通りストレートに聞く
「…ないよ」
微妙な間
彼女は嘘はつかないと思う
だけど隠し事はするかもしれない
たぶん何か恥ずかしいことなんだろう
それか照れくさいこと
だからさっきから何か思い返しては、真っ赤になってるんだと思う
俺の読み、今回は当たってるような気がするから
「あるね」
自信満々の声で断言
彼女の腰がジリッと後ろにさがった
俺は逃さないように、すかさず彼女の右手を掴む
そして左手に持ったままのマグカップを取り上げ、テーブルの上に置いた
「じ、准君、大好きっ」
え?
え(////)?
な、なぁんだよ、急に
彼女の真っ赤が握った手から伝染したかのように、俺の頬も急激に熱くなる
………
……………
……ごまかされるところだった
こんなやり取り、恥ずかしがり屋の彼女が急にするなんておかしいだろ
瞳が揺れている
握った手が熱い
「〇〇…何があった?」
右手を握りしめたまま、うつむきそうになっていた顎に指をかける
ほんの少し潤んだ瞳にうつっている
駄々をこねる子供のように、彼女の全てを知りたがっている男が