舐めあげた後、少し離れて顔を見る

 
 
発熱してるかのように潤んだ瞳に俺がうつっていた
 
 
「〇〇…風呂はいる?」
 
 
「………」
 
 
悩んでるかのように俺の目と喉の辺りを視線が行き来している
 
 
「一緒入る?」
 
 
「ぷふふっ」
 
 
なんで笑うんだ
 
 
いい雰囲気に仕上がってきていた彼女
 
 
それが消え去ってしまう
 
 
「お風呂入るって、子供に聞いてるみたいなんだもん」
 
 
くっくっくと笑いがおさまらない
 
 
「・・・・・・・じゃあ、シャワ-浴びる?」
 
 
これが正解か
 
 
正しい彼氏と彼女のベットに入る前の会話
 
 
だけど俺はいつも湯船にゆっくりしっかり浸かりたいから
 
 
「准君、湯船にお湯ためるでしょ~」
 
 
「・・・・・・・・・・・」
 
 
「私、ためてくるよ」
 
 
そう言って立ち上がってお風呂の方へといってしまった
 
 
なんだか納得できない
 
 
モヤモヤが残る
 
 
・・・・・・・・・・・・・・・・
 
 
だから追いかけ、湯をためるスイッチを押した彼女を背後から抱きしめた
 
 
「○○・・・・・・」
 
 
耳の後ろに唇を寄せ、わざと触れるように名前を囁く
 
 
びくっと震えた後、抱きしめた俺の腕を彼女はゆっくりと両手できゅううっと握りしめた
 
 
「待てない」
 
 
「・・・・・・・・准君がお風呂って言ったのに」
 
 
さっきまでは待てる気がしていた
 
 
だけど今は
 
 
「待てない」
 
 
繰り返し言う
 
 
壁に向かって立っていた彼女をくるりとまわし、向かい合わせにする
 
 
 
俺の腕の中でちんまりとしている彼女がかわいすぎるから、そのまま唇を寄せていく
 
 
「じゅンんっ・・・・・・・・・・・・・・・・」
 
 
彼女の唇から出た俺の名前を飲み込む