口にしてしまった。
鮮明なまでに脳裏に刻まれた映像を。
明け方目が覚めてから、忘れようとすればするほどはっきりと何度も繰り返し思い出されてしまう夢
彼と付き合ってることは誰にも言ってないし言えないから、正夢にしたくないなら彼に聞いてもらうしかないって思った
だけどこんなこと聞いたら彼はどう思うだろうか
バカだなって思われるぐらいならいい
だけど新年早々に重いとか面倒だとか・・・そんな風に思われたら
「○○っ」
握っていた手を引かれ、そのまま痛いほどの力で抱きしめられた
胸に抱え込むように抱きしめられ、彼の心臓の音が聞こえてくる
それは今ここに彼がいるってこと
「それは俺じゃない」
「うん・・・・だけどあんまりにもリアルだったのと・・・・初夢だったから」
自分の指先がどんどん冷えていく感覚
彼じゃないという違いを必死に探していた時の心臓の音
全部全部リアルで。
目が覚めてからはもう寝付けなかった。