「お疲れ様~」
玄関を開けたら笑顔の彼女が待っていてくれた
「ん、ありがとぅ。」
靴を脱いで上がったらなんだかモジモジしたような態度で彼女が一歩近寄り
「明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします」
丁寧に新年の挨拶をしてくれた
「明けましておめでとう。今年もよろしく」
言いながら彼女の肘を掴み、胸に抱きよせる
柔らかな彼女の体を感じて、年末の疲れが溶けていく。
「准君・・・・・・・」
「ん?」
「部屋行こう。ここ寒いでしょ」
せっかく彼女のぬくもりを堪能していたのにそんな現実的なことを言うなんて。
俺だけが嬉しかったのかとなんだかムッとする
だから
「ぁっ」
彼女のひざ裏に手を入れ、お姫様のように抱きかかえる
こうやって抱っこするのも久しぶりだよな
付き合って二年以上たつのにおずおずと首にまわされた腕がかわいくて、ゆっくりと歩いてしまう
リビングに入るとなるほど部屋の中は暖かく快適だった
「ご飯食べる?」
「あるの?」
「うん、簡単なものだけど」
簡単なものと言いながらテ-ブルに並べられたものは豪華で・・・つまりはお正月料理だった。
「食べてるだろうなって思ったんだけど。」
「手づくり?」
真っ白なお重にきれいに詰められているけど、どこかアンバランスにも見えて。
「へへっ。半々~。」
実家でもらってきたものもあるというお節はおいしかった。
子供のころはカマボコぐらいしか美味しいと思えなかったのに、今それぞれの美味しさを噛みしめている。俺も大人になったなぁ(笑)。