「届いてる?!」



玄関開けた途端にその言葉



期待しまくりの笑顔が言葉通りに眩しくて、私は目を細めた



「うん。冷凍庫に入れてあるよ」



先週メ-ルが来た



{金曜日の夜に宅急便届くから、受け取って冷凍庫にいれておいてね}



って。



何かよくわからなかったけど、食べ物なんだろうな~と思って



とりあえず冷凍庫のスぺ-スを開けて待っていた



そして金曜日の夜である先ほど届いたのはアイス



それも30個も。なんとか冷凍庫にしまったらちょうど快君がやってきて


彼はうちに上がるとそのまま冷凍庫へと一直線に向かった



「おおお~!!これこれ!ほら、○○!!!」



「うん、いっぱいだね」



それは薄い水色のアイス



ダブルソ-ダアイスって書かれている



「これさぁ~懐かしくない?小学生の時とかすっげ~食ったんだよね~」



「そうなの?」



「えええええっ⁉︎食ってない⁉︎まじで⁉︎」


「ううん…食べたことはあるよ。でもそんなにいっぱいな記憶はないかなぁ」


そこから快君はジェネレーションギャップってやつかよ、とか夏休み週5はこれだろ、とか1人でブツブツ言いだしてたけど
おもむろに一つ取り出し袋から出した



「とりあえず食おっか」


「うん」


梅雨も明けて暑くなってきたからアイスが嬉しいよね


パキャッ


「うわぁぁぁぁ〜〜っ!!!」


「快君⁉︎」


アイスの袋を捨てに行っていたらすごい叫び声が聞こえて、慌てて快君のところへ戻った



「どうしたの⁉︎」


「〇〇…」


薄い両肩をがっくりと落とし、頭もがっくりと垂れてしまっている



「快君⁉︎」


プルプルと小刻みに肩が震えてるかと思ったらガバッと顔が上がり



「これ〜〜っ…>_<…」


泣きそう顔で両手に持ったアイスを差し出してきた


「え?」


もしかして…



「きれいに割れなかったから?」


ダブルソーダアイスと言うだけあって、棒が二本付いていて、真ん中からぱきっと二つに割れるようになっている


それが今彼の手に握られた棒の先には



右側と左側のアイスの量が不揃いになっていた


つまりは割り箸がうまく割れなかった状態


「快く〜ん。驚かさないでよ。」


「だってさぁ〜気持ちよくきれいに真ん中から割りたかったんだって!」


 熱弁


でもそんなの聞いてたら溶けちゃうよ



「味はかわらないんだから、食べちゃお」


「まぁそうだけどさぁ。なんてゆ〜か男のロマンがさぁ」


なんてまたもやブツブツ言ってるけど


スッと私に差し出してくれた方のアイスは大きい方で



「まぁまだ29個あるからいっか」


当たり前のように小さな方を食べだした



こんなところ


普通にできちゃうこういうところ


好きで好きでたまらない


ニコニコニコニコ

その笑顔を今は私が一人占めできてる事実


美味しそうにアイスを食べてるけどその間も今日あった面白い話をしてくれて


私はもう我慢できないなって思ったから



「快君」


「ん?なになに?どした?」


アイスの棒を咥えてる口が誘うから


「アイス、いっぱい食べちゃったから冷えちゃったよ」



口に咥えた棒を上下に振っている



「だからあっためて」


「……」


あ、黙った



「ダメ?」


彼の口から棒を取り出し、その均整のとれた薄い体にゆっくりと抱きついて


「したいな」



ストレートにおねだりする



彼の体がピクンと動いて



「いい?」


「それは俺のセリフだって」


そこからは


たぶん朝の顔でも


アイドルの顔でもない


私だけの快君の顔を見せてもらえて



あと29個のアイスがあるから冬までに29回は会えるのかなって思いながら



彼の腕の中で眠りについた。



終わり



イノッチ〜〜


イノッチ〜〜


イノッチのエロ書いてみたいと思いつつ、とりあえず保留〜〜(笑)