それから洗い終わっていた洗濯物と一緒に浴室乾燥を使い、夕飯の準備をする



おやつの時間だったはずなのに、いつの間にか夕方になっていた



観覧車…どれだけ長く乗ってたんだろ


まぁ…あんなことしてたら…



「〇〇…赤いけど」


隣でトマトを洗っていた彼が私の頬を突きながらトマトと交互に見つめる



「え…っと。そうかな?」



うまくごまかせない



「…エッチ」


「違うもんっ!」


見透かされて恥ずかしさのあまり声が裏返ってしまった


そんな私とは違い、彼は落ち着いた様子で洗い終わったトマトを置き、レタスを千切りながら笑っている



「あのさ」


視線はレタスのままで優しい声



「ロシアン観覧車だけど」


忘れようとしてたのに、また頬に熱が集まりだしてしまう



「本物は真っ暗じゃないからね」


「え?だって外が見えないんだよね?」


景色が見えないって。だから高所恐怖症の人も大丈夫って。


「ん。見えないよ。普通のガラス部分が曇りガラスみたいなのだから」


「曇りガラス?」


ってことは…中が真っ暗じゃないってこと?


私の勘違いから准君の目をつぶらせちゃって


それでつまりあんなことになったってこと…


ふんぎゃーっ( ゚д゚)!


そんな私の横で彼はレタスを千切り終わり、水につけてから


背後にまわられ、ふんわりと抱きしめられた



「〇〇…」


耳の後ろで響く甘い低音



「一緒に観覧車に乗せてくれてありがと」


背骨から腰へと甘すぎる痺れが走るから



「うん…」


文句なんか吹き飛んで短い返事しかできない



「今度はさ…」


彼の両腕の中に閉じ込められる



「ひらパープールに一緒に行ってよ」


逞しい腕に抱かれ、耳たぶには唇が触れていて


「うん…」


やっぱり頷くことしかできない


「んふふふっ」


ぎゅぎゅぎゅぎゅぎゅーっ


「約束もらった!」


甘い雰囲気が消え去り、子供のようなはしゃぎ声


「あ?え?プール?」



「んふふ。今度は水着持ってきてね」
 

え?また、ごっこ遊びってこと?


それもプールの?


「やだっ」


水着なんて


それも彼の前で水着になんてなれないよ