家電の子機を握りしめた手が冷たい



やっと電話がつながったのは夜の23時すぎで



ドキドキしながら当落確認をしたら



ウソ…



代々木土日落選


横アリ初日 落選


横アリ2日目 落選



まさかの音声案内に


さっきまでの高揚していた気持ちが


瞬間冷却されてしまう


そこから


横アリ3日目の確認がなかなかできない


だってこれでダメだったら



ダメ


なんてあるの⁈



ダメだったら



コンサートに行けないってこと⁈



20周年のコンサートなのに⁈



冷えて動きにくくなった指をなんとか動かす


とにかく聞こう








「うっ…よぉっかったぁーーーーー…>_<…」


1人の部屋ではありえないほどの大声が出たと同時に


涙がにじむ



5公演申し込みして


たった1つだけ取れていた


横アリ3日目


ファンクラブに入って5年


コンサートの申し込みをファンクラブ枠でして取れなかったことなんてなかったから


甘くみすぎていたんだ



体温が上がったり下がったりして負担のかかった体に



温かいハーブティーをいれる


カモミールの優しい香りに癒され



やっと落ち着いてきた



そうしたら今回のコンサートのことがすごく気になってきて



<V6 コンサート 当落>



で検索してみてしまった



「……」


言葉が出ない


そこには


彼らをずっとずっと応援してきた人たちの



苦しい叫びが溢れていた



全落ち



背筋が冷えた



みんなみんな会いたいだけ


二年間待ってて


やっと会える


そう思ったら全落ち



さっきまでの自分を思い出す



胸が絞られるように痛む


でもそんなこと言えない



だって私は行けるから



そんなときに彼からのコール音



♪♪♪


「…もしもし」


岡「あ、寝てた?」


彼の優しい声が耳から身体中に染み込んで



切ない痛みになっていく


岡「○○?」


「大丈夫。ウトウトしてただけたから」


ごまかそうとしてみたけど


岡「…何かあった?」


声だけで私がどういう状態かわかってしまう


そんな彼がたまらなく愛おしい



「仕事がちょっと忙しくて、疲れちゃったみたい」


確かに忙しくなってるからウソじゃない



岡「…そっか。」


今、私は彼と話せてる


でも今、彼に、彼らに会えないことが決定して


落ち込んで泣けている人たちが大勢いる



どうしようもないことだけど…



それから彼と何を話したかあまり覚えていない