「ごちそうさまでした」
彼女のいつもの両手を合わせてのごちそう様に
今日はいいことありそうな気分になる
時間を確かめるとあと20分は余裕がある
「准君・・・・・・」
岡「ん?」
「ひげがなくなったから呼んでくれたの?」
言葉にはっきり出して聞かれると・・・・・・・俺のマヌケさが・・・・・・・痛い
「そうだよね?」
岡「・・・・・・ん。昨日、仕事の関係で剃ったから」
一番に○○に見せたかったなんて
ひげがないほうが好きらしい○○が喜ぶ顔が見たかったなんて
「それで朝早く起きて待っててくれたの?」
岡「・・・・・・・・・」
無理やり朝早くに呼びつけた理由としては
アホだな
「准君・・・・・・」
彼女の視線が痛い
「んしょっ」
軽い掛け声とともに彼女が俺の隣に移動してきた
何も言えないままの俺の顔を両手で挟むと
そのまま両手で頬を撫で始めた
「うん・・・・・・つるつるだね」
岡「朝も剃ったから」
言い訳のようにつぶやく
「あのね・・・・・・・ひげがあってもなくても・・・・・・・かっこいいよ」
岡「・・・・・・だけどない方が好きなんだよね?」
俺の好きという言葉に反応したのか瞬時に真っ赤になって
撫でまわしていた両手が止まった
「・・・・・・きれいな顔だから・・・・・・・ひげで隠れてるともったいないって思うんだもん」
それは前に聞いたような気がする
「それに・・・・・・・・・・・」
言いかけて真っ赤になる彼女
岡「それに?」
彼女のウソはわかりやすい
一応俳優業もやっている俺にとってはなおさらで
「ほら、顔洗うときとか大変でしょ」
そんなこと言うのに真っ赤になるって
バレバレのウソ
だから俺の頬を包んでいた彼女の両手首を
そっと掴む
岡「・・・・・・本当は?」
そのまま引き寄せて
唇が触れる寸前で問いかける