路上の漫読家 | JUN-GMCオフィシャルブログ Powered by Ameba

路上の漫読家

どもJUN-Gです。

土曜日はひさびさに下北沢にいきました。よく冷えた夜だった、午後10時を少し回ったくらいだったかな、南口に降り立つと、路上に人の輪ができていた。こんなとこでもサイファーかと近づいてみると、笑い声が聞こえてきた。囲む人々は若者が多いが、性別年齢ファッションなどはバラバラだ。HIPHOPな輩はあんまりいない。
なんだ?中を覗き込むと、何やら一人の男が熱弁を振るっている。一冊の書を持ち、時に優しく、時に激しく、声色を変え人々に訴えかける、まるで伝道師だ。
だがそのキリスト風(ごめんなさい)の男の手にあるのは、なんと漫画であった。あっこの人があの……非常に興味がわいたが、迫る時間と人の多さに加え、腹も極度に減っていたので、泣く泣くその場をあとにした。

2時間後、七厘で炙ったホルモンと、冷えたビールで満たされた我々は、終電を気にしながら駅へと急いだ。
すると寒空の下、さっきの男がまだそこにいた。しかし終電間際なせいか、人が乏しかった。おっ今ならじっくり聞けるじゃん。そう思ったが、何せこっちも時間がない。うーんしゃーない、残念だが今回はスルーしよう。横を通り抜けようとした瞬間、彼と目が合ってしまった。

JUN-GMCオフィシャルブログ Powered by Ameba

ご存知の方も多いだろう。漫読家の東方力丸 氏であります。その無垢な瞳に吸い込まれ、進められるまま一話読んでもらうことに……

漫読家とは、漫画を読み聞かせてくれる人のことで、多分この方がパイオニア。いつも100冊ぐらい持ち歩いているらしい。メディアの露出も多い。

風呂場で座るような、ちっちゃいイスを、自分のジャンバーの裾で丁寧に拭いて、さしだしてくれた。イスに腰かけ漫画を選ぶことにした、観客は我々しかいなかったので、好きな本が選択可能だったんだけど、時間もなく焦っていたので、とっさに目に入った「ふたりエッチ」 を選ぶことに。彼は一言「得意です」と。
前にテレビで拝見したときは「北斗の拳」など、台詞まわしに特徴のある作品を読んでいて、激しい物が得意なことはわかっていたが、こういった作品はどう表現するのか楽しみではあった。

講談師よろしく節を付け軽快に始まった。話の内容はこうだ。電車で痴漢にあって傷ついたヒロインを、主人公の男の子が体で癒すというもの。
ナレーションと主人公の2人、声を変化させ一人一人を演じる。

JUN-GMCオフィシャルブログ Powered by Ameba

時に激しく!

JUN-GMCオフィシャルブログ Powered by Ameba

更に激しく!!

JUN-GMCオフィシャルブログ Powered by Ameba

感情を込め読み上げる!!!

この作品も激しかった。違う意味で(笑)
音の表現がすばらしく、人差し指を口にもっていき、チュパチュパ、じゅるじゅると濡れた音を創っていた。
しかし女の子の声がさすがにきつかった。本人もきつそうだったし。まぁそこが逆に笑えたが……でものどは使ってるね、丈夫なのかな。
話が終わる頃やっと他の観客がついた。もっと大勢で見たら、連帯感とかも生まれ、楽しさも増すかもしれないなとは思ったが、少人数でも十分楽しめた。

そういえば、フレームが壊れていて、ガムテープで補強してあったはずの眼鏡が、新しくなっていたので尋ねると、「眼鏡屋さんでパフォーマンスしたら破格の値段で作ってくれた」と言ってました。

JUN-GMCオフィシャルブログ Powered by Ameba

そうこうしているうちにいよいよ時間が迫ってきたので、気持ちだけ置いて、電車に飛び乗りました。いやーあぶなかったよ。

土曜日は下北沢駅南口に、夜10時にはいるみたいです。日曜の井の頭公園はまだやってるのかな?ちょっと聞き忘れたけど。ともかく雨天でもめげずに活動を続ける、東方力丸氏にリスペクト。俺も八王子の駅で、若い頃ふざけてギター弾いてたことあるので、路上の厳しさ、また快感、少しはわかります。
この世界初?の漫読、興味のある方は是非足を運んでみてはいかがでしょーか。


そういえば、下北沢も再開発で揺れているよね。この街って、こういうストリートパフォーマーの人たちが、違和感なくとけ込んでいる希有な街だし、独特の文化を創ってきた、小劇場やライブハウス、洋服屋などが、今でもしっかりと根を張っているわけだから、無機質な都市開発で、歴史を破壊しないでほしいです。