今日は東京都練馬区にある富士見中学校の説明会に、早川代表と私(向後)の2名で参加してきました。私どもの塾がある西武新宿線新所沢駅から、西武池袋線中村橋駅まで約30分、そこから徒歩3分で学校に到着します。
説明会は校長・佐藤真樹先生のお話から始まりました。先生は11年間の高校教頭を経て今年の春、前任者の板倉清先生の後任として校長に就任されました。「校長からのメッセージ」と題されたお話は約50分に及びましたが、実に分かりやすくまた興味深い内容でした。
はじめに「今までの良さをしっかり残しながら、これからの富士見を考えていく」という方針が披露され、校長交代によって学校が大きく変わってしまうのではないかという不安を払拭しました。
「純真、勤勉、着実」を建学の精神とし、「社会に貢献できる自立した女性の育成」を教育目標に掲げていますが、今日「予測できない変化の激しい未来の社会で、様々な課題を自分事として捉え、その解決に取り組み、自分の人生を自分で切り拓くことのできる女性の育成」と発展的に捉えています。その実現のために「自分と向き合う力」+「「人と向き合う力」+「課題と向き合う力」=「生きる力」と考え、その3つの力をさらに17の力に細分化した上で、その1つ1つの到達度をルーブリック評価にようて確認していきます。あらゆる教育活動を通して17の力を育むとのこと、下記の4つのテーマについて詳細な説明がありました。
(1)授業
①確かな知識はもちろん大切だが、知的好奇心を刺激する授業、アクティブ・ラーニングを行うことにより、「学びたい」という意欲を持った生徒を育成する。ICTの活用として、中学1年生より全員がipadを利用している。
②2学期から中1・中2の希望者を対象にプログラミング講座を開講する。
(2)「富士見の探究的な学び」
課題の設定➡︎情報の収集➡︎整理・分析➡︎まとめ・表現➡︎振り返り。1年をかけて取り組む「中3卒業研究」がメインであるが、中1での「生きもの探究教室」、中2での「上野・浅草フィールドワーク」も同様の進め方で探究的な学びを身につけていく。探究学習はまさに「スパイラルな学び」ということです。
(3)行事・クラブ
様々な生徒の自主活動によって進められている。リーダーシップとフォロワーシップをしっかり身につけることに加え、シェアドリーダーシップを推進している。
最近、生徒会長が職員室で先生方の前で学校をよくするためのプレゼンを行い盛大な拍手を浴びた。ちなみに富士見の生徒会は2019年学校として日本生徒会大賞、生徒会長は個人で奨励賞を受賞している。
「たくさんの挑戦をする、失敗することも大切」「失敗しない子を育てるのではなく、失敗しても頑張れる子を育てる」「たとえ失敗や挫折をしても、また起き上がって生きて行く力は大切」・・・富士見らしい教育観だと思いました。
「自分の価値観(自分軸)」「社会への参加(社会軸)」を共に大切にして進めるキャリア教育についても言及されました。
(4)多文化交流
多様な文化背景を持つ人々と協働する力は将来必要となる力との認識のもと様々な取り組みが行われています。留学・海外研修、留学生との交流、模擬国連などがその内容です。
次に入試広報部長藤川建先生から「進学結果」「入試について」のお話がありました。
(1)進学結果
2019年大学実合格者率(複数学部に合格していても1人1校とカウントする)は次の通りです。現役のみ。
国公立・早慶・海外・・・22.2
上智・ICU・東理大・・・11,7
GMARCH・・・16.1 ここまでの合計で50%となります!!
私立大学の定員厳格化の中、昨年よりも数値を伸ばしており大健闘と言えます。
また一橋大学に4名の合格者を出しており、これはお見事と言うほかありません。
また指定校推薦をほとんど使わないのもこの学校の特徴の一つです。2019年度は4名のみで内訳は早稲田3名、慶應1名でした。
(2)2020年度入試について
2月2日午後に算数1科目入試を新設します。定員は20名で当日発表ですが詳細は未定です。それに伴い3日の第3回いの募集定員が60名から40名に減ります(1日・第1回100名、2日・第2回80名は変更なし)。豊島岡・吉祥女子・大妻などとの併願が予想されかなりの受験生を集めるのではないかと予想されます。
2019年度入試の実質倍率は2.5倍で昨年同様、受験者は微増でした。合格ラインは2日・2回がやや高く、1〜3回では60〜65%の得点が求められます。
補欠(繰り上げ候補者)については、①複数回受験し、2回とも補欠であった場合、正規合格となる。②繰り上げの順番には受験回数は関係ない。なお、2019年度の補欠繰り上げは候補者43名中の約4分の1ほどでかなり厳しい結果となりました。
※3年間の推移
2月1日 応募人数 254➡︎287➡︎268
実受験数 245➡︎278➡︎262
2月2日 応募人数 351➡︎385➡︎401
実受験数 283➡︎311➡︎338
2月3日 応募人数 263➡︎299➡︎302
実受験数 196➡︎235➡︎237
公立一貫校併願者 56➡︎ 39➡︎ 44
※合格者の手続率(2019年度)
第1回・・・88.2% 第2回・・・58.6% 第3回・・・84.7%
※トリプル出願者(第1回〜第3回のすべて)・・・357名
※今日の説明会では「入学時の順位と進学結果に関して」というかなりインパクトの強い資料が配られました。入学時の上位10名と下位10名の比較ですが次のようになります(第1回〜第3回の30名×2=60名)。
上位30名・・・国公立1・早稲田2・慶應1・上智4・東理大2・私大医歯薬4・GMARCH5
下位30名・・・国公立2・早稲田1・上智1・東理大2・私大医歯薬1・GMARCH4
2019年度は上記の通りですが、最下位で入学した生徒が慶應義塾大学法学部に進学した年もあり、この学校の教育力の高さと、前任の板倉校長先生がよく仰っていた「特進クラスをやめてから学校が良くなった」というお言葉の意味を痛感いたしました。