心身ともに健康で生まれてくる人がいれば、何かしらの障害を持って生まれてくる人もいます。
それは、神のみぞ知る奇跡なのだと思っています。
私が福祉関係の仕事に就いているからか、いろいろな人から障がい者が生まれてくる意味について聞かれることがあります。
そんな時に、私はこんな風に話をしています。
日本はつい最近まで、ハンセン病の人たちや知的障がいを持つ人たちに優生手術(強制的に不妊手術)を行うなど、旧優生保護法(1948~1996)という法律に基づき、障がいのある人は生まれてこない方が良いという優生思想を持っていました。
「生きる価値のない命」があることを国が認めてきたという悲しい歴史があります。
〜ある研修で教わったことなのですが〜
WHOの報告では、世界の人口の10%は何らかの障がいがある人たちだそうです。
すごい人数ですよね。
様々な障がいは、人類が「ヒト」として進化する上で無くてはならないものだという考えがあります。人類の発生や進化をする仕組みからいえば、それは私でも良かったし、私の子どもでも良かったのに、そうはならなかった。
何故か、それはたまたま私たちと同じ時代を生きている障がい者がその比率を担ってくれているからで、そうした関係性の中で私たちと障がい者は存在しているのです。
もう一つ
アフリカの村で、マラリアの伝染病が猛威をふるい、村は壊滅的な打撃を受けてしまいます。しかし、どんなに伝染病がまん延しても、どんなに絶滅するほどの病死者が出ても、必ず生き残るグループがいました。
後年、そのメカニズムを調べようと、多くの研究者が、「生存者」本人から、その子孫にいたるまで、徹底的に調査を行いました。すると、一つの事実がわかったのです。
それは、マラリアが多く発生する地域では、ある一定の割合で、伝染病に強い突然変異遺伝子を持つ人(鎌状赤血球の遺伝子を持つ人)がいる、ということ。そして、伝染病に強い遺伝子を持つ人が生まれるとき、高い確率で、そのきょうだいに重い障がいを持つ人が現れる、ということ。
その確率は、4分の1。
4人の子どもが生まれた場合、必ずそのうち1人は、成人前に亡くなってしまうような、重い障がいを持つことになります。つまり、人間がマラリアとの生存競争に勝つには、マラリアに強い遺伝子のほかに、病気や障がいを持つ遺伝子も必要だった、ということです。病気や障がいを「引き受ける人」がいなければ、その村は絶滅していたことになります。
人類の歩みの中で、危機的な環境を生き抜く中で、こうしたことはたくさん起こってきたと思います誰かがその比率を担っているから、私たちは今生きている。障がいを持つ人がいることには積極的な意味があるのです。
1/4の奇跡 山元加津子著(マキノ出版)より
こんな奇跡があって、私たち人間は生きているのです。
健常者が、障がいを持って生まれた人たちに対して何か感謝をする必要はありませんが、このような事実があるということは知っておくべきだと思います。
「障がいを持つ人がいることには積極的な意味がある」
世の中に、意味なく生まれてくる人はいないのですから、いろいろな意味で公平に生きられる世の中であり続けたいと思います。