仏式の葬儀では,「御霊前」や「御仏前」などの香典を持参するのが習わしですが,キリスト教ではそれらの名目が「御花代」というものになります。




ただ,日本では,宗教観や香典返しの煩わしさから,それらを辞退するケースが結構あります。




さて,それではフィリピンではどうでしょう?




私は,家内の田舎(パナイ島)の葬儀3ケースしか知りませんが,どの場合も多数の参列者が「御花代」を持参していました。




花代は,一家族あたり100~2,000ペソと,それぞれの台所事情により,もの凄い開きがありました。もちろん,持参する事の出来ない人もいます。




マニラ周辺では,葬儀費用を稼ぐため,賭場が開かれるなんて話を聞きましたが,田舎ではそういったことはありませんでした。自分達の暇つぶしでトーンイッツや麻雀をする人は多かったですが,賭場代を取るような賭け事は見たことがありません。葬儀の様子
でも触れましたが,田舎ということで葬儀代が安いので,そういった必要が無いのかも知れません。




義父の葬儀の時には,選挙期間と重なっていたこともあり,政治家連中から連日の差し入れがあり,また,実弾攻撃(現金をばらまく事。人出が多い葬式は,票集めの為には絶好のシチュエーション)もあり,相当な金額が集まったと聞きます。




今回,義母の葬儀は,そういった事とは重なりませんでしたが,前述した「御花代」のおかげで,やはり相当な金額が集まったようです。私達夫婦のニノン・ニナンは総勢80名ほど居ますが,彼等は一人あたり最低でも500ペソの花代を持参していました。集まった金額を聞いてビックリしましたが,これだけで,軽く10万円を越えています。出て行くお金も多かったようですが,集まった金額も結構なものでした。




先日,家内から聞いたのですが,義母は入院する前に,息子や娘達(家内の兄弟姉妹)を集めて,こう言ったそうです。「私の葬式で,ネネ(家内の愛称)に助けを求めてはいけない。親戚や友人が沢山来るから,お金の心配は要らない。お父さんの葬式の時を覚えてるでしょ?」と。実際,その言葉通りになりました。








昨年,来日したときの義母(マザー牧場にて)






あらためて,義母の人柄と人徳を感じる思いでした。また,そういった配慮や,先を読むことが出来る人だったからこそ,あれだけの人が葬式に集まったのだと思います。




死して尚慕われる義母,見習うところが多々あります。