Gisele De Santi - TUDO BEM (Lulu Santos)





晴れた午後が始まると

開いた窓からそよ吹く夏が覗きながらカーテンと遊んでいて

ハエは夏に出たくて窓のガラスをさまよったが,結局出口を探した.

昨夜、風雨の疾風怒濤に疲れた花壇の木や花は、

縮めていた葉を幾重にも広げ、オレンジ色の日差しでゆらゆら乾かしている。

今になって訪れた夏の本当の風。

昨日の暴悪だった雲を北に追い出している。

雲は逃げながら魅惑のまなざしを世の中に降らす。

夜の記憶を秘めていた草の葉の露が乾くと

花と草は昨日より成熟して

虫たちは大人になった。





Gisele De Santi(1985/Brasil/Porto Alegre)のアルバムCasaを聴いていると

印象主義的な感興で、濡れた家を乾かす夏のそよ風のような感じを受ける。

彼女は実際、このアルバムを自宅で出産前に、胎児の赤ちゃんと一緒に作った。

そしてアルバムが出ると一緒に生まれた赤ちゃんChicoにプレゼントする。





家とは、赤ちゃんの保護膜であり、成長の栄養供給源である胎盤のように、大人にも安定と成熟の空間だ。

本当の自分だけの家は平和の源泉であり、不必要な欲望や野心から浄化する場所だ。

放浪者には大地が家で修道者の家は見えない心の中にあるように

真の家とは、単に物理的な枠と経てのものではない。

バージニア·ウルフの「自分だけの部屋」のように、家は家族が一緒に暮らす家庭ではなく、たった一人のための場所でなければならない。

生徒たちが一人で勉強するために訪れるカフェも、家庭では見つけることのできなかった自分だけの部屋、あるいは家かもしれない。

また、インターネットやSNSの自分のアカウントも、そのような自分の家を作りたいという欲望から起因したものだろう。

孤独のない華やかで忙しい日常とは、どれほど悲惨なことか。 それは台所や居間で暮らしているようなものだ.

家族や客が帰った後も一人で行ける部屋がない家庭の流浪者のようなものだ。






Gisele De Santi - 「Casa」アルバム全曲鑑賞
- ピアノ:Luiz Mauro Filho
- バイオリン及び編曲:Vagner Cunha

https://www.youtube.com/playlist?list=PL43T1ehjnKSWttgm8c9mA_p33TE5YnoUl