【音楽雑感】コンクール考(2) | Jung Brass Collectionのブログ

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トランペットを始めて早ウン十年。お蔭様で今も充実したラッパ活動を楽しんでいます。これまで経験した所感や、今振り返る考察など、トランペットや音楽にまつわる話と、趣味のブラスアンサンブルアレンジの活動の記録です。

コンクールが終わって、ちょっと感傷的な気分になったところで学生時代を思い出した。あの頃は一途に関西大会を目指していたなぁ。筆舌に尽くしがたい厳しい練習が長時間にわたる。ハーモニーを完璧に合わせる、アインザッツを完璧に合わせるなどなど、1小節を1日掛けて練習した日もあったか。


学生の時って、このメンバーで演奏するのが最後って状況(3年生がコンクールを持って卒部するので)なので感情も高まる。まさに一期一会のコンクール。だからこそか、目標に向かってベクトルは一致している。テンションも高いところで一致。こうなると厳しい練習も楽しくすら感じる。「苦なくして楽なし」。中学時代の顧問の先生の言葉だけれど、まさにその通りだなぁ、なんて。結局、中学、高校、大学と、いつも次点で関西大会に行けなかったけど、あの頃の記憶は今でも鮮明に残っている。それだけ打ち込めたから。


社会人になってからは転勤等もあり、幾つかの団体に所属させてもらった。いずれも学生時代に目標としていた関西大会にあたる支部大会まで駒を進めていたけれど、学生時代ほどの満足感は得たことがない。仕事の傍らの趣味であること、多少入れ替わりがあるが毎年同じメンバーで出場すること、メンバーによってコンクールに対するベクトルというか情熱に温度差があること、練習時間が限られていることなど、状況が違っているから。これは多くの一般バンドの宿命で仕方がない。そんな状況でもコンクールが楽しいと思えるのはクオリティの高い音楽作りを体験できるから。


学生の頃って、凄く時間をかけて何度も何度も反復練習をして身体で覚えるって感じだったなぁと今になって思う。一方、社会人になると限られた時間の中で完成させなければいけないので、とても頭を使う。指揮者が一度指示をすると、まあまあ指示通りに吹けるし、逆に奏者側から音楽を作り周りが合わせて自発的にアンサンブルすることもある。これが大人の演奏っていうのかな。


色々な条件、環境が違う学生と社会人を比べることはナンセンスだけれど、無いものネダリで、もう一度学生の頃に経験した、全ての時間と情熱を注ぎ込んだコンクールに向き合ってみたいなぁ。学生の情熱と大人の演奏が掛け合わされれば凄いことになりそう。全国大会に出場する一般バンドって、そういうところなのかな。