循環器内科医の健康広場 -15ページ目

循環器内科医の健康広場

医食同源。食と、医療、健康、ダイエット、、、に関することが主なテーマです。

おはようございます。布施淳です。

http://junfuse.com/150331/

日本で「医療機関」といえば、一般的には、近代西洋医学を提供している病院や診療所を指します。しかし、超高齢化社会の到来や、QOLの重視、西洋医学の限界、医療費の高騰など様々な状況変化の影響もあり、近代西洋医学以外の医療も注目されてきています。それらを一括して、「統合医療」と表現したりします。

 

【参考】日本統合医療学会 http://imj.or.jp/

 

厚生労働省も、「統合医療」に注目しており、こんなサイトを作っています。「統合医療」には非常に有用なものもあれば、”うさんくさい”ものや、明らかに詐欺的なものも混じっている玉石混合状態ですから、付き合い方が重要です。そんな注意喚起も含んだサイトです。

 

「統合医療」情報発信サイト http://www.ejim.ncgg.go.jp/public/index.html

 

さて、その「統合医療」の中の代表的な存在である「鍼灸」。

先日鍼灸師の方たちとお話する機会がありました。

1点、驚いたことがありました。

 

施術録(=カルテ)を書かない鍼灸師が多数いる。

 

って言うか、基本、書かないとか。

通常、医師は診療録(=カルテ)を必ず書きます。それを書くことで、病状改善、治療効果、もしくは悪化を把握しやすくなりますし、また他のスタッフとの情報共有もできます。

そもそも、医師法第24条1項で、医師は患者を診療したら遅延なく、「経過を記録すること」が義務付けられています。

鍼灸師の施術録に関してもこんな、フォーマットがあったりします。

http://www.harikyu.or.jp/acup/pdf/sejutu_130529.pdf

療養費を保険請求するときにはこのような書式が必要になってくるのかもしれません。しかし、現実的には自由診療が主体ですから、作成する義務はないのでしょう。

しかし、医師の診療録同様、患者の病状を経時的に評価するためには非常に貴重な情報源となるはずです。また、ある症状にはこの経穴への置鍼の組み合わせが効果的だった、などの情報を蓄積し、それを個人のみならず集団、あるいは学会でデータベースとして共有すれば、より効率的、効果的な治療に発展しやすいのではないかと想像したりします。

医師の立場からも、鍼灸師も是非「施術録」の作成を習慣化することをお勧めしました。このような地味な行動が、鍼灸やその他各種統合医療の質や信頼性の向上につながるものと思います。

 

そういえば、診療録は「SOAP」のフレームワークで記載されることが多いです。

S:Subjective data 主観的データ 

O:Objective data 客観的データ 

A:Assessment 評価 

P:Plan 計画

 

S

「胸が痛い」といった患者の訴えなど主観的データを記載します。

O

「 心音正常」「心電図でST上昇」など、診察所見や、検査所見などの客観的データを記載します。

A

上記の情報の解釈、そこから考えられる病態や診断などを記載します。例えば「急性心筋梗塞を強く疑う」

P

診断計画や治療計画を記載します。例えば「緊急心臓カテーテル治療」。

 

この「SOAP」もまた、「空・雨・傘」や「GAS」と同じですね。

【参考】「GAS」と「空・雨・傘」http://junfuse.com/150329/

 

S:Subjective data, O:Objective data  =空、G

A:Assessment =雨、A

P:Plan  =傘、S

 

施術録も、これに準じて記載すると良いと思います。

そして、近代西洋医学と共に、各種統合医療も健全な発展をし、良き医療環境を構築できればよいと思います。

ということで、統合医療から、鍼灸の施術録、そして診療録の フレームワークまで、まとまりのない、雑多な記事を最後までお読み頂き、ありがとうございました。

 よろしければ、こちらのブログも御覧ください。

http://junfuse.com/

おはようございます。布施淳です。

みんなの健康学習広場
http://junfuse.com/150328/

以前、このBlogでもちょっと触れたことのあるちきりんさん。
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【参考】失敗は学びの機会、成長の機会 http://junfuse.com/150212/
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ちきりんさんの洞察力は非常に鋭く、関心します。大ファンです笑!
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さて、そのちきりんさんの本 「自分のアタマで考えよう」 にはこのような記載があります。
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「私たちはしばしば他人の考えをまるで自分の考えであるかのように錯覚します。」
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「自分の頭で考えること、それは「知識と思考をはっきりと区別する」ことからはじまります。」
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自分のアタマで考えよう [Kindle版]ちきりん
51wPbRCO46L._AA324_PIkin4,BottomRight,-50,22_AA346_SH20_OU09_
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同 「多眼思考」の記載。
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「知識の授受」ではなく、「議論」ができるかどうかが、一回会って終わりになる人と、何回会ってもおもろい人の違いだってことかな。」
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「「本を読む」と「考える」は全く違う行為なのに、本を読んで考えた気になってる人もたくさんいるよね。」
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多眼思考 [Kindle版] ちきりん
51WgWcQ+jjL._AA324_PIkin4,BottomRight,-50,22_AA346_SH20_OU09_
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目の前で生じたり、様々なメディアから見聞きした事柄。それをただ他人に伝授するだけでは、単なる伝書鳩です。
その知識、事実を自分なりに分析、解釈して、その結果、どう判断するか、が重要ということです。
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物事を考えたり、問題を解決したりするのに有用なフレームワークに「空・雨・傘」があります。
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空:「空が曇っている」→事実
雨:「雨が降りそう」→分析、解釈
傘:「傘を持っていく」→判断、行動
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「空が曇っている」という事実の伝達だけでは、面白みも、価値も低いわけです。
「雨が降りそう」と、自分なりの分析や解釈が加わると、オリジナリティが出てきて、価値が高まります。
「傘を持っていく」という判断や行動につながれば、より一層価値が高まります。
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結局、ちきりんさんのおっしゃる、「知識と思考を区別する」ということは、このフレームワークを意識することとかなり近いのではないかと思いました。
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改めて意識してみると、これらの考え方は、ごく身近なところに見受けられるし、活かせるものだと感じます。
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テレビのニュース番組。ニュースを単に伝えるアナウンサー。「事実;空」を伝えるだけです。ここに「思考」はありません。ある意味、誰がやっても大差はなく、代わりはいくらでもいます(とは言っても”伝え方”という新たな勝負どころがあります)。そのニュースを「分析・解釈;雨」してコメントする解説者。これは考える行為「思考」が必要であり、オリジナリティが発揮できます。
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テレビの野球放送についても、アナウンサー、解説者は同じ関係です。
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部下からの仕事の報告。「事実;空」を省略して、「解釈;雨」から報告してくる人がいます。仮に、その解釈が誤っている場合、「事実」を省略してしまっていると、上司が誤りに気づくことが難しくなります。「事実」は省略することにはリスクが生じるわけです。
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具体的には、自分の仕事領域、循環器救急。胸痛を訴える方が救急外来を受診することはよくあります。狭心症や急性心筋梗塞など命に関わる病気である可能性もあります。必ず心電図を記録します。この心電図を判読し、病状を判断することは簡単ではなく、確たる知識や経験が求められます。救急外来でトレーニングを積んでいる研修医から、胸痛患者の心電図について電話で相談されることがあります。
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「○○歳、男性、1時間前からの胸痛です。心電図は正常です。」
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心電図は、本当に正常なのでしょうか?心筋梗塞を見逃していることはないでしょうか?
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「心電図は正常」これは、研修医の「解釈;雨」です。本当に正常なのか、不明です。まずは極力「事実;空」を誤解なく伝える努力が望まれます。
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「心拍数90回、洞調律、V5,6誘導で、J点で最大0.5mmのST上昇にとどまります。したがって有意なST変化はなく、正常範囲内と判断します。しかし心臓超音波検査などの更なる検査が必要と思います、診察お願いします」
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専門的ですので、細かな内容はどうでもよいのですが、要するに、この報告であれば、
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「事実;空」=「心拍数90回、洞調律、V5,6誘導で、J点で最大0.5mmのST上昇」
「解釈;雨」=「有意なST変化はなく、正常範囲内」
「判断・行動;傘」=「心臓超音波検査などの更なる検査が必要、要専門医の診察」
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に沿っており、誤解も少ないし、行動にもつながっています。
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少し、マニアックな記載になってしまいました。
言いたいことは、先人の提案した「空・雨・傘」のフレームワークって、日々の生活において極めて重要です。基本的なことではありますが、意外と軽視されている場面もあるかなと感じ、自分も気をつけてみようと思いました。
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おはようございます!あいさつは先制攻撃!布施淳です。
よろしければこちらをどうぞ。

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以前から指摘しているように、日本中で、必要性や妥当性の高くない心臓カテーテル治療(PCI)が数多く行われています。
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その理由は様々で、医師本人のPCIの経験数増加による技術向上、専門医取得条件獲得、経済的メリット、臨床研究、また、所属組織や病院の治療件数増多、学会認定施設基準獲得、実績向上・宣伝、収入増加、或いは、医療機器企業との関係、、、、。様々な理由で、PCIの件数を無理に増やそうとし、適切とは言い難いPCI施行に至るのです。
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【参考】 そのカテーテル治療は本当に必要ですか? http://junfuse.com/141224/
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若手循環器医とPCIを施行していて、もう1つ理由がありそうなことに気づきました。
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依存性です。
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【参考】「依存症」という観点で周りを見渡してみよう http://junfuse.com/141229/
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PCIという治療をしていると、その手技の成否を分ける最重要ポイントの瞬間があります。多くは、ガイドワイヤーが高度狭窄部位や完全閉塞の部位を通過する瞬間です。広げるべき狭い部位に針金のようなもの(=ガイドワイヤー)を通過させるのです。これを通過することができれば、高い確率でその治療を成功に導けるのです。
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【参考】朝日インテック株式会社 http://www.asahi-intecc.co.jp/catheter/
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ガイドワイヤーを通過させるのに少々難易度の高い狭窄部位を、初心者の若手循環器医が、うまくそれを通過させた時、激しく快感を訴えます。
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極度の緊張感の中、その治療の成否を分ける勝負の瞬間。ここをクリアした時の満足感。ARCSモデルのS:Satisfaction。このとき、「ドーパミン」や「エンドルフィン」といった脳内の神経伝達物質が分泌され、脳に強い快感をもたらしていると推測します。これが依存性につながり、PCIを多くやりたい!という思いに駆られる、「依存症」状態を及ぼす可能性があります。
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そして、当然、更なる快感を求めることになります。徐々に難易度の高い病変に挑みたくなります。
PCIの医学的な理由よりも、自分の快感を優先して、必要性・妥当性の高くないPCIに走ってしまう。本来冠動脈バイパス手術(CABG)をしたほうが医学的に妥当な患者にもPCIで治療を試みたりする。
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このプロセスが、自分の仮説です。
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おはようございます。

昨日の記事「爆発的モチベーション向上とLearning by doinghttp://junfuse.com/150325/の話に関してです。

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http://junfuse.com/150326/




若手循環器医にPCIの術者をしてもらうと、PCIを学ぶモチベーションがより一層上がるということでした。
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これは、学習者のモチベーションを高めるARCSモデルで説明可能と思われます。
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参考:ケラーのARCSモデルについて
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A:Attention→興味を引く
R:Relevance→関連が深い、自分にとって大切
C:Confidence→やればできそう
S:Satisfaction→やってよかった、成功体験
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A:Attention
PCIを実際に行ってもらうことで、PCIを助手として単に「見る」ことと、実際に自分で「やる」ことが如何に異なることか実感することができます。その奥深さを感じ、より興味を持ち、そして新たな発見を見出し、更に学ぶ姿勢に加速がつきます。
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R:Relevance
今後循環器医として生きて行く自分の仕事として、大切なスキルであることを身を以て認識します。自分にとっての必要性を感じ、目的指向性が高まります。
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C:Confidence
苦労しながらもなんとか治療を完遂させることで、自分でも今後やっていけそうという自信が湧いてきます。
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S:Satisfaction
そして、成功体験をしてもらうことで、喜びを感じ、アクティブな姿勢、そしてモチベーションの爆発的向上につながります。
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指導者は、このARCSの各要素を意識しながら、うまく若手もモチベーションをコントロール、ファシリテートしていくことが求められます。
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学習意欲をデザインする―ARCSモデルによるインストラクショナルデザイン

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9k=

 


おはようございます!あいさつは先制攻撃!
布施淳です。

いかなる分野でも重要な要素のひとつが「教育」です。
様々な教育手法があります。その優劣が簡単に下せるものでもありません。教育者、学習者、その能力レベル、、、、、様々な要素が複雑に絡む、深い問題です。

医療においても、教育は重要なテーマです。


みんなの健康学習広場
http://junfuse.com/150325/


循環器領域の代表的な病気といえば、心筋梗塞や狭心症といった虚血性心疾患が挙げられます。心臓の血管(冠動脈)が動脈硬化により詰まったり、狭くなったりすることで、胸が痛くなったり、苦しくなったり、突然死したりする病気です。
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これらに対し盛んに行われている治療が心臓カテーテル治療(PCI)です。バルーン(風船)やステント(金属の網のようなもの)により、血管を広げる治療です。胸の大きく切って、開けるような”手術”をしなくて済む、負担の小さい治療です。素晴らしい医療の進歩、テクノロジーの進歩です。今や、虚血性心疾患の治療の中心的存在です。
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CAG
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このPCIを行うためには、基本的なカテーテル技術はもちろんですが、病態の理解や、治療の必要性の判断、治療中に起こりうるリスク・合併症、それに対する対処方法、冷静沈着な精神状態、カテーテル室スタッフとのコミュニケーションスキルなど、様々な知識、スキルが必要とされます。わずかな技術的ミスや判断ミスが、患者の命を左右します。患者は正に命をかけてカテーテル台(手術台)に上がっているのです。
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この優れた治療法を普及させるために、若手循環器医にも、教育をする必要があります。上記の知識やスキルを有することを概ね確認できた上で、実際の患者に対しPCIをしてもらうことになります。術者としてPCIを行ってもらうことに高いハードルを設けるか、比較的容易にPCIを行わせるか、様々な教育方針・考え方があります。どの方針が優れている、劣っている、という問題ではありません。
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自分としては、これまで比較的高いハードルを設けていましたが、PCIを学ぶことに努力をしている人には、最近はそのハードルを少し低くしてきています。その際に感じていることが主に2点あります。
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① 爆発的モチベーション向上とその波及
② learning by doingの有用性
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PCIを実際に行わせることで、PCIをさらに学ぼうという、爆発的なモチベーションの向上が得られるということです。しかも、本人のみならず、その周囲、同僚や後輩たちにも及びます。集団として、組織としての底上げ現象がみられ、結果として(PCIの)組織としての総力が向上すると感じます。
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そして、learning by doingが有用であることも実感しています。かつては、学んでから(learning)→やらせる(doing)というスタンスでした。今は、やりながら学ぶ(learning by doingです。それにより患者に及ぶリスクが若干増える可能性がありますが、そこは指導者の腕の見せ所になります。
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若手循環器医のPCIを監視し、ファシリテートし、必要な場合は即時介入する。患者へ及ぶリスクを無視できるくらいの指導者としてのスキルが必要になります。指導者としてのスキルアップも常に心がけていなくてはいけないと感じています。