今日の仕事が早く終わり久しぶりに午後はゆっくりだなぁなんて事になる
そんな話をしていたら
このあと映画に行くんだ
なんてことを言われて
何見るの?
なんて聞いてみたら
マイケルの
なんて返答される
何を隠そう僕はマイケルの歌が結構好きだ
結構というか高校の頃はかなり聴いていた
小学校の時には初来日でかなり盛り上がり
連日テレビなどで彼のムーンウォークの映像を見てとても興奮したものだ
彼がやるはずだったコンサートのリハの映像を編集して一本の映画にしたというのだから
これを見ない手はない
と
いうことで
午後の予定のない僕は便乗して一緒に見に行くことに
そういへば映画館へいくのは久しぶりだ
今年の頭はレイトショウによく行っていたが
最近は忙しいせいもあってか観に行けていない
今日はとてもタイミングが良かったのかもしれない
チケットを買いに行く
液晶ボードに出される情報にて上映時間を確認する
結構な回数を上映しているようなのだが
ここで驚いたことに
夜までの上映分のチケットが売り切れているのだ!
今日は水曜日平日だ
昨今は映画館で映画を見る人も減少傾向にあると言っていたが驚きの結果だ
しかし館内に入ると事情が解る
今日はレディースデーだったらしい
しかしいくらレディースデーだといってもこの売れ行きは凄いことだ
残念だが今日は観られないかな
なんて思っていたら
最近の映画館には
プラチナシート
なるものが存在するらしい
これはシートがゆったりと広く
席数も少なくかなりのセレブ感を味わえるものらしいのだが
これがまた料金が高い
一人5000円もするというのだから驚きだ
ちなみにプラチナルームなるものもあり
こちらは一部屋30000円と書いてあった
映画を見るだけなのにホテルに宿泊するよりも高いのにさらに驚く
で
プラチナシートならば次の上映に空きがあるというので思案どころだ
今回のマイケルの映画はロングランになり当初の予定よりは長く上映されている
が
今回の機会を逃せばおそらく映画館では見られないだろう
という見解になる
ならば
商業演劇を見るような気分でいいじゃないか
あとこんな機会でもなきゃプラチナシートになんか座らないだろう
って事でお互い同意してチケットを二枚購入
普通ならば大人二枚4000円が
10000円
ちょっとした贅沢だ
しばらくして専用エレベーターにてプラチナシート階へ上る
そこで自分たちの犯した過ちに気づくのだけれどそれはまた後で
フロアに到着したらそこはホテルのラウンジのような感覚のエントランスになっていて
とても映画館の受付とは思えないような雰囲気で
上映時間までの待ち時間はそれぞれの数しかないソファとテーブルにて寛いで待てるようになっていた
なんとぜいたく気分に浸れる空間だ
映画は賞味2時間といったところだろう
その時間にこれほどの高級感を付随させようとはよく考えそして実行したものだ
これならば
周りの人の多さが苦手な人や
狭い空間で見るのが苦手な人も
マナーの悪い人が気になって集中出来ないという人でも快適な上映時間を堪能できるだろう
シート自体も二席毎に分かれており
カップルの二人だけの時間も完璧に演出できる
これで5000円はそれなりに価値があるのかもしれない
と
半ば感動していたところに
先ほどの自分たちが犯してしまった過ちに気づく
そう
ここは主に
カップルが
使用するようなのだ
だってソファなんか
こんな感じだしね
なんとなく気まずくなってしまい
これ基本カップル用
だったんだね大丈夫だった?
と
気遣われる
もちろん大丈夫だよと答え
でもあれだね
こういうとこを同業者に見られたら明らかに誤解されちゃうよね
なんて会話でお互いの気まずさを紛らわす
実際このシート利用者の9割くらいはカップルかそれ寸前のデートみたいな雰囲気だった
こちらのソファでも
こんな感じになれる訳だ
そして
飲み物が一杯無料でサービスされる旨を聴き
ならばポップコーンなんかはこちらで買えるのかと聞いたら
それは下の一般フロアで買ってから持ち込んでとの事
こんなところに一人で待つのも嫌だし一緒に買いに行こう
なんて言って席を立つ
上記したようにレディースデーで大変混雑している一般フロアは
フードカウンターにたどり着くまでが既に冒険のような混みようだった
これがもしカップルで来ていたら
はぐれそうになる同伴者の手を取りひっぱって行くところだが
もちろんそんなことはできない
勘違いされるからね
人をかき分け漸くポップコーンを買うことに成功
二人笑いながらプラチナフロアに戻る
戻る頃には上映時間間近になっており
件のプラチナシートに移動する
これまた贅沢なシートになっていて
シートには別にクッションが付いていてお好みの座り具合に調節可能
それに付け加え
足を置くためのスツールと膝かけまで常備
なんと至れり尽くせりな
スクリーンまでの距離も高さもなんとも言えない好いアングル
これはまた利用したくなるなぁ高いけど
なんて事を考えながらもやっぱりカップル仕様のこのシートに座るのに
結構お互いに気を使いながら腰掛けることになる
二人の間には先ほど買ったポップコーンが置かれる
予告編が始まりもう二人は映画の世界に入りだす
さあ
これからマイケルのラストダンスが始まる
フィルムが進むにつれ僕が大好きなナンバーがきたりすると
横にそれを伝えたりするのだけれど
このシートは周りを気にしなくていい分そういったヒソヒソ話もやりやすい作りのようだ
そんなこんなで
映画をリラックスでゴージャスに堪能した我々は興奮冷めやらぬなか映画館を後にしたのだが
この素晴らしい空間とタイミングと映画とでかなり良いひと時を味わった筈なのだが
どうしても釈然としなことがある
それは
上記したようなゴージャスカップルシートに
何が悲しくて
野郎と仲良く座らなねばならんのだ
ということだ
今までこと細かく書いていた描写を
相手が男だとして読み返してみて欲しい
レディースデー故に周りはカップルか女性ばかり
周りを見渡しても野郎二人だけなんて見当たらない
さすれば
この数時間が
傍から見れば
いかに気持ち悪い状態になっていたか
解っていただけると思う
いやホントに同業者に出くわさないでよかった
もし出くわしていたなら
よからぬ噂がたつか不安になっていたことだろう
で
ちなみに
一緒に行った野郎はこいつ
同い年のこいつは一足先に31歳になった
30がらみの野郎二人がカップルにまぎれてプラチナシートに座る日が来るなんて
これはきっと
30歳最後の苦行に違いない
と思いたい
そんな30歳もあと一週間