保険料は0.3%上乗せが多く、途中解約は不可

では、こうした保険付き住宅ローンを借りると、保険料はどうなるのでしょう。主な金融機関の例を表にまとめました。

複数のタイプが用意されていますが、基本は三大疾病で保障で、加えてどこまで対象を広げるかという違いになります保険料は、借入金利に0.250.40%上乗せされるか、保険料が別途、口座から引き落とされるかです。

 

主要金融機関の保障特約付き住宅ローン



また、住宅ローン金利が低めの金融機関では、以下のような保障内容になっています。

 

住宅ローン金利が低めの金融機関の保障特約


唯一、住信SBIネット銀行のみが保険料負担なしで、8大疾病保障を付けています。また、三井住友信託銀行では、保障を半分にする代わりに保険料の上乗せも半分というタイプがあるのが特徴的です。

最近の傾向として、「ガン」に重点をおいた保障特約を付けるタイプも増えており、じぶん銀行の「ガン50%保障」は、保険料負担なしで、ガンと診断されたら住宅ローンの残債が半分になるというものです。

ガンに重点を置いた保障特約


このほかに、フラット35やフラット35Sを借りる際に任意加入する、住宅金融支援機構の団信には、三大疾病特約を付けたタイプもあり、こちらは、年払いまたは、金利に0.3%上乗せになります。

現状、住宅ローン金利は最低水準にあり、0.3%程度の上乗せなら、それほど高くないと感じてしまうかもしれません。しかし、いったん、この契約をすると、途中で解約することはできないため(一部、保険料を口座引き落としにするタイプは解約可能)、長期にわたって、上乗せされた金利で返済を続けることになるのです。

仮に、2000万円を固定金利101.00%で35年返済のローンを組んだとします。保険なし住宅トーンと0.3%上乗せの保険付き住宅ローンで返済額がどうなるか見てみましょう(固定金利10年で10年後も固定で金利変動がなかったと仮定)。

  1. 保険契約なし・・・毎月返済額56457円  総返済額23711746
  2. 保険契約あり・・・毎月返済額59296円  総返済額24904285


保険付き住宅ローンの場合、毎月返済額が約2840円増え、総返済額では約120万円も負担が増えることになります。この差額が保険料というわけです。

毎月の負担増が3000円程度なら、安心を買うという意味で、納得してしまいそうですが、総額では120万円にもなります。これだけの金額を本当に負担すべきなのでしょうか?

 

現在加入している、医療保険、医療特約をチェック

そもそも、団体信用生命保険に加入していれば、万一のときには住宅ローンが相殺されて、以降の返済はなくなります。また、住宅ローンとは関係なく、生命保険の医療特約や単体の医療保険、ガン保険に加入していれば、病気になったときの手術や入院に関する保障は確保されています。住宅ローンの返済が心配だからと言って、重複して同じような保険に加入することはありません。

もしも、ガンや三大疾病、生活習慣病が心配で、現在、保険に未加入であれば、保険会社の保険を検討してみてはいかがでしょう。毎月20003000円で入院給付金や診断一時金が得られる保険が数多くあります。

何よりも重要なのは、住宅ローンに付帯する保障特約は、住宅ローンの返済が終了すると、基本的には保険の契約も終了するということです。ガンや生活習慣病は、高齢になるほど罹患率が上がります。本当に必要なときに保障がなくなるという事態は避けるべきです。

また健康を害すると、新たに生命保険や医療保険に加入することが難しくなるので、不安があるのであれば、住宅ローンに付帯する保険を付けるかどうかを考えるのと同時に、単体での保険加入も検討しておく必要があるのです。

住宅ローンを組む際は、金利の低さだけで選ぶのではなく、変動金利にするのか長期固定金利にするのか、ローン保証料はいくらかかるのか、繰り上げ返済のときの手数料は無料なのかなど、自分の資金計画にあった住宅ローンを選ぶ必要があります。

これだけでも、十分迷ってしまうところなのに、保険の中身まで検討するのは、非常に難しいことです。住宅ローンは住宅ローン。保険は保険とシンプルに考えていくことが、重要だと言えるでしょう。ただし、団体信用生命保険も含め、「健康」でないと加入できませんので、住宅購入を考えている人は、まずは、自分の体のメンテナンスをすることが先かもしれません。