●東京都=採用は175人増の2245人
 東京都庁で3月24日(土)午後2時からおよそ2時間にわたって、今夏の教員採用試験説明会が開催された。参加者は640人、このうち大学生が約半数、あとは講師経験者と社会人が占めていた。東京都の説明会は今日を皮切りに全国5会場で開催されるが、東京会場だけで約3,000人が応募している。 説明会では、前半は東京都の求める教師像、今夏の試験の改善点などが紹介され、後半は「教師の仕事」について、現職教員によるパネルディスカッションが行われた。
 東京都の平成20年度の採用予定者数は昨年比で175人増の2,245人。とくに小学校では昨年よりも100人増の1,100人の採用が予定されている。小学校を中心とした大量採用は平成20年をピークに今後も続き、これから5年間は毎年1,000人規模の採用が見込まれている。当然、学校現場には大量の新人教師が赴任することになるが、そこで最も問われるのは「コミュニケーション能力」という。とくに「教師と子どもの一対一の対応ではなく、多様な子ども集団への対応ができる実践的な指導力をもった教師が必要だ」(教育庁人事企画担当部長・直原氏)。また、同僚の教師、保護者や地域の人々との円滑なコミュニケーションも教師の仕事を支えるものとして重要だ。
 東京都では今夏から「一般教養」の筆記試験と小学校および特別支援学校小学部の実技が廃止されるという大幅な試験内容の改善が行われるが、これに加え、社会人や教職経験者への特例選考の拡大、大学推薦制度の拡大といった制度上の改定も行われる。例えば、社会人選考は、これまでの小学校の特別選考(100人程度の枠)に加え、全校種・教科に拡大される。また、いわゆる講師経験者への特例措置も他県での講師経験者にも広げられる。
 こうした制度改革の背景には、大量採用時代にいかに優秀な教員を確保するか、民間企業をはじめとした多様な社会経験をもつ人材や、すでに実践的な指導力をもった講師・教員を全国から集めたいという採用側の意図がうかがえる。(取材・荒井篤子)


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