人材派遣大手、北部九州で営業要員など拡大


 人材派遣大手が福岡県や佐賀県など北部九州を中心に事業を強化する。業界最大手のスタッフサービス(東京・千代田)が4月に福岡市で営業担当者と「コーディネーター」と呼ばれる要員の合計人数を4割増やすほか、同六位のマンパワー・ジャパン(横浜市)も登録者の拡大を急ぐ。自動車や電機、通信大手などの投資拡大で人材派遣の需要増が見込めると判断した。

 スタッフサービスは来月をメドに福岡市にあるグループ会社で、派遣登録者と受け入れ先企業の間の調整役となるコーディネーター、営業要員の合計を従来に比べ4割増の70人にする。グループ会社では、20―30代の女性登録者数を増やしており、通信販売会社や通信・金融関連のコールセンター向けに派遣拡大を目指す。

 マンパワー・ジャパンは5日、同社としては九州初となる専用の登録センターを福岡市に開設、従来は福岡支店(福岡市)で対応していた派遣社員の登録業務を移管した。業務を集中的にこなすことで、新規の派遣登録者数を従来の約二倍の月平均200人程度に増やし、中小の自動車部品メーカーなどの需要を掘り起こす考え。事務処理に通じた団塊世代の登録者を積極的に増やす計画だ。

 業界四位のアデコ(東京・港)はグループ企業のキャリアメイツ(福岡市)を通じて4月中に佐賀県鳥栖市に新たな支店を開設する。新支店には九州七県にある各支店に分散していた製造業向けの営業担当者を集約、当初5人の体制でスタートする。新支店への担当者の集中化で企業のニーズの把握や派遣スタッフ確保の効率を高め、電機メーカーなどからの受注拡大を狙う。

 福岡市を中心とする北部九州は全国平均に比べ人材の流動性が高いにもかかわらず、首都圏に比べ企業の人材派遣の活用が低水準にとどまっているとされる。だが、各社とも、自動車や電機大手などの投資拡大に対応し、今後、人材派遣の需要が高まるとみている。

http://www.nikkei.co.jp/kyushu/news/20070314000000193.html