天国から来た大投手 八、小さな友人 118 | 六月の虫のブログ

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スタジアムに到着すると、森次郎達は着替えてウォームアップを始めた。コーチのヤングは、決勝も今までの戦術で戦う意向だ。デニスもルースターも体調は万全だ。一旦ロッカールームに戻ると、いつものようにヤングが皆に演説した。ヤングは、決勝に来られたというだけで満足するな、力を出し切れば必ずカリフォルニアでナンバーワンになれると力説した。森次郎達も負ける気なんてさらさらない。皆は大声で気勢を上げるとスタジアムへ出て行った。

スタジアムは満員とまでいかないが、相当人で埋まっていた。もちろん今までで最高の観衆の数だ。先日、取材に来たエヌビーシーの記者がカメラマンを連れて来ている。森次郎は、その大勢の観衆の中に美盤やジュディ、メグを見つけることができた。森次郎は三人に手を振った。ネイサンも森次郎の横にいて、彼女達に投げキッスをしている。陽気なネイサンを見て、森次郎は心が癒された。

コイントスの後、いよいよ試合開始だ。ロバートソン高校は、コイントスを外し、ディフェンスから入ることになった。ロバートソン高校のキックオフで決勝戦が始まった。相手チーム、マクナマラ高校は州大会の常連で、四十ヤードもキックオフリターンした。ロバートソン高校は、少し緊張しているようで、動きが硬い。森次郎は、ディフェンスには加わっていない。最初の数試合にはディフェンスに加わったが、ヤングは森次郎にオフェンスに専念させることがチームにとってもベストだと思っていた。マクナマラ高校は、どんどん攻め込んでくる。彼らは四回連続、ファーストダウンを奪うとタッチダウンを決めた。

ロバートソン高校のキックオフリターンも四十五ヤードラインまでとまずまずの結果だ。森次郎のパスも次々に決まり、三回のファーストダウンでタッチダウンを決めた。第一クォーターは、点の取り合いとなり十四対十四で終わった。第二クォーターに入ると、マクナマラ高校のディフェンスはデニスとルースターを封じ込めた。森次郎もパスを出す相手が、相手ディフェンスに塞がれ苦戦していた。前半終了間際、森次郎がルースターに投げたパスをインターセプトされ、十四対二十四とリードされて前半を終えた。




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