天国から来た大投手 八、小さな友人 117 | 六月の虫のブログ

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ネイサンは、火曜日のフットボールの練習に元気な姿をあらわした。チームメイト達もコーチのヤングも、ネイサンが顔を出すと練習を中断して、ネイサンに駆け寄ってきた。「ネイサン、元気そうで何よりだ」とコーチのヤングが声を掛けた。デニスが「ネイサン、お前が金曜日の準決勝に来なかったから、前半は苦戦したよ。今度の決勝には来られるだろう」と訊いた。ネイサンは元気に「もちろん。僕も皆と一緒に戦うよ。皆、心配かけてごめんなさい。僕はもう大丈夫だから」と言った。

金曜日の朝、森次郎達フットボールチームは、試合が行われるサンフランシスコにあるスタジアムに向かった。ネイサンも小学校を休んで、チームに同行している。チアリーダーとマーチングバンドのメンバー達は、少し後に出発する。他の生徒や父兄達もバスで応援に駆けつける予定だ。

森次郎は、ネイサンが元気そうなのでホッとしている。バスの中で、ネイサンは森次郎に「モリ、このシーズンの間に一番上手になった選手は誰だと思う」と質問した。森次郎は「僕だろう」と言って笑った。ネイサンは「う~ん、モリも確かに上手になったけど、ルースターが一番変わったと思う」と言った。確かに森次郎のパスの七割はルースターがレシーブしている。タッチダウンの数もチーム一だ。「ルースターは、レシーバーとしても素晴らしいけど、走るのも本当に上手になったと思うよ。まだ、モリやデニスにはかなわないけど」と続けた。森次郎は、ネイサンの分析力に感心した。森次郎は「ネイサン、野球には興味ないの」と訊いた。ネイサンは「興味はあるけど。また勉強しておくよ」と言って微笑んだ。




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