この夏に出会った少年二人 トムとハック | 六月の虫のブログ

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 今朝、マーク・トウェインの『ハックルベリイ・フィンの冒険』を読み終えました。


 『ハックルベリイ・フィンの冒険』を読んで、サリンジャーの『ライ麦畑でつかまえて』を思い出しました。サリンジャーもトウェインに影響されているようです。


 私には『ライ麦畑でつかまえて』の主人公、ホールデン・コールフィールドハック(ハックルベリー・フィン)がダブルのです。

 『トム・ソーヤの冒険』を久しぶりに読んだ後に、『ハックルベリイ・フィンの冒険』を読んだので、トムとハックの違いがよく分かりました。


 トム(・ソーヤ)は、冒険を遊びの延長で楽しんでやるタイプ。賢くて要領が良い。大人になったら大企業家になるタイプです。


 一方のハック(ハックルベリイ・フィン)は、彼の人生そのものが冒険で、そんな人生を受け入れて楽しもうとするタイプ。トムほど賢くはないけど結構賢いと思います。でも、要領は悪く不器用です。大人になっても器用には生きられない、世間と一線を画すタイプです。


 『トム・ソーヤの冒険』に比べて『ハックルベリイ・フィンの冒険』の認知度が低いのは、黒人奴隷について差別的な場面が多く描かれているからだと思います。アフリカ系アメリカ人が読むのには抵抗があると思います。


 文学的には『トム・ソーヤの冒険』よりも『ハックルベリイ・フィンの冒険』の方がすぐれていると思うのですが・・・。


 『トム・ソーヤの冒険』に出てくる”人間の行動をめぐる大きな法則”をご紹介します。


 相手が大人であれ子供であれ、何かを欲しがらせるには、それを手に入れるのを困難にすれば事足りる。「仕事」とは強いられるものであり、「遊び」とは強いられないものだという真理。


 この言葉は、トムの”塀のペンキ塗り”のエピソードで出てきます。



 『ハックルベリイ・フィンの冒険』で、ハック”法律”よりも”良心”に従うことを決断します。一緒に旅をしている黒人奴隷のジム、逃亡している彼を引き渡すのは思いとどまり、彼と一緒に旅を続けることにするのです。ハック自身、黒人奴隷の逃亡を手伝ったということで死刑になるかもしれないのに・・・。

 この決断をしたときの言葉が、



 ”All right, then, I will go to hell”

 「よしわかったよ。おいらが地獄に落ちればいいんだ」


 ハックと奴隷のジムの関係は、親友というよりも、父と子の関係かな・・・。


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 『トム・ソーヤの冒険』を読んでから、『ハックルベリイ・フィンの冒険』を読むことをおすすめします。