十、レッツ・プレイ・ボール (つづき)
土曜日のダブルヘッダーでも、森次郎は大活躍。二試合で五つホームランを打った。ブライアン・ジョンソンもブライアン・マサーリも好投し、大差で二連勝した。試合後、デニスやブライアンたちは、モントレーに繰り出した。森次郎は、いつもどおりネイサンとメグのアパートで過ごした。
翌日曜日の朝、森次郎はメグと一緒にネイサンのタイニーリーグの試合を見に出かけた。ネイサンはスタンドにいる二人の姿を見つけると、大声で「ハイ、ママ、モリ」と手を振った。森次郎はノックを受けているネイサンに「もっと腰を落として」とアドバイスした。「ネイサン、最後までちゃんとボールを見ろよ」と声がした。その声に、森次郎が振り向くと、デニスとジョンソンと彼らのガールフレンド二人に、ゲイと弘子が立っていた。デニスは弘子を森次郎の隣にいるメグに紹介した。メグが「ネイサンの母親のメグ・ソーントンです。よろしくね」と自己紹介すると、弘子は「森次郎のガールフレンドかと思いました」とホッとした表情を浮かべた。
ネイサンはセカンドゴロをしっかりさばき、ワンアウトを取った。最初の打席では、四球を選んで塁に出た。ツーアウトだったので、コーチが盗塁のサインを出した。ネイサンは、タイミングよく走り二塁に頭から滑り込んだ。森次郎は思わず「ノー」と叫んだ。審判は「セーフ」と言って腕を広げた。ネイサンは元気よく立ち上がると、ヘルメットを取って森次郎たちにあいさつした。森次郎はメグに「ネイサンには、足から滑り込むよう強く言っておいたのに」と心配しながら言った。バッターがアウトになって、引き上げてきたネイサンに、森次郎は注意した。ネイサンのチームメイトたちは、ネイサンに注意する森次郎を批判し、すまなさそうな顔をしているネイサンを励ました。結局、ネイサンは内野ゴロと外野フライで試合を終えた。
つづく・・・
「セーフ!」
『天国から来た大投手』のこれまでのあらすじは、下をクリックすると読めるよ。
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