天国から来た大投手 Vol.65 | 六月の虫のブログ

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第二部 吉野 森次郎


四、佐々木裕香 (つづき)


 裕香がゆっくり森次郎の横に腰掛けた。森次郎は、裕香を抱きしめると彼女の顔を覗き込んだ。裕香はうっとりした目で森次郎を見つめている。森次郎は裕香の口にキスをした。二人は二週間前の土曜の夜のように、激しくキスをした。森次郎はキスをしながら裕香のティーシャツの中に手を入れ、胸を触った。裕香のキスの激しさが増した。森次郎がティーシャツを脱がそうとすると、裕香はそれを察したのか、一旦キスを止め、ティーシャツを脱ぎ捨てた。森次郎は裕香の胸に顔をうずめ、裕香のショーツに手を掛けた。すると裕香の手が森次郎の手首をつかんで、「ごめん、モリ、やっぱりできないわ」と言った。森次郎は唖然とした表情で裕香を見た。裕香は「私から誘っといてごめんなさい。もう少し時間をください」と言うと、床に落ちていたティーシャツを着た。

 朝ごはんができると、森次郎はテーブルに移り、裕香が座るのを待った。二人は「いただきます」だけ言うと黙って食事を食べた。しばらく沈黙が続いたが、森次郎が沈黙を破って「裕香さん、神奈川県大会が始まってからになりますが、『スターウォーズ・エピソードⅢ シスの復習』を一緒に見に行きませんか」とデートに誘った。裕香は笑顔で「いいわよ。後で空いている日を連絡するから、モリの都合のいい日を教えて」と言った。沈黙の間、森次郎は気まずくなった雰囲気の打開策を、裕香は浩輔のことを考えていたのだった。


 つづく・・・


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