本日の日経新聞の”大機・小機”の『円高肯定論への反論』(by カトーさん)への反論。
カトーさんの言われるとおり、「現在の円高はデフレと対」というのはそうかもしれません。それに、製造業が日本経済の成長を引っ張ってきたのは間違いないでしょう。でも、人件費の安い中国や東南アジアやその他の新興国と同じものを製造していたら勝てるわけもなく、日本で製造することで損をします。
デフレを止めるのは、イノベーション(技術進化)です。イノベーションによって、新興国で簡単に製造できないものを製造するしか、日本で製造業をする意味がないと思います。円高がその流れを加速してるのは間違いありません。
ただ、企業だけがイノベーションを起こしてもダメです。日本の労働者もイノベーションを起こさないと、新興国の労働者と同じレベルではダメです。
先進国が生き残る道は金融や医療・介護などのサービス分野とIT関連などのソフトウエア分野のイノベーションだと思います。このイノベーションを可能にするために、企業は円高を利用して海外の技術や企業を買収する。日本人ももっと海外に出て行かないとイノベーションに必要な視野が広がりません。
企業が、円高をイノベーションのテコにして成長していくのが、今、求められているのではないでしょうか?
前にも書きましたが、イノベーションは、デフレだけでなく、人口減の中での成長をも可能にします。イノベーションによる経済の成長こそが、日本のとるべき道でしょう。
最後に、「現在の円高はデフレと対」というカトーさんの見方を否定はしませんが、デフレはもっと構造的、そして精神的な部分がより大きいと思います。デフレについてはまた後日書きます。