名古屋城「本丸御殿」復元工事完成
-その26-
2018年6月8日(金) 天気:

名古屋城本丸御殿 完成公開オープニングセレモニー (2018/06/08)
名古屋城「本丸御殿」とは・・・
徳川家康が尾張藩主の住まいとして建築を命じ、1615年2月に完成。
その後、3代将軍・家光の上洛に合わせて「上洛殿」などが増築されて、
本丸御殿は将軍専用の建物となるも、1945年の名古屋大空襲で天守閣とともに焼失。
かつては京都・二条城の二之丸御殿と並んで
近世城郭御殿の最高傑作だった、名古屋城本丸御殿。
2009年1月から復元工事がはじまり、
2013年には第1期工事エリアの「玄関・表書院」部分が完成、
2016年には第2期工事エリアにあたる「対面所・下御膳所」が完成し
そしてこのたび、第3期工事エリアにあたる「上洛殿」が完成。
9年半の時を経て、
ついに名古屋城に本丸御殿がよみがえりました!

「玄関・表書院・対面所」については既にレポしているのでささっと見学を済ませ、
本丸御殿のいちばんの見どころ「上洛殿」へと急ぎます
参考過去記事: 「玄関・表書院・対面所・下御膳所」レポ
名古屋城「本丸御殿」玄関・表書院 いよいよ公開 [2013/05/29]
名古屋城「本丸御殿」対面所・下御膳所 いよいよ公開 [2016/06/01]

鷺之廊下
対面所部分と上洛殿を結んでいるのが、鷺之廊下(さぎのろうか)。
「上洛殿」は3代将軍・家光さまの上洛に合わせて増築されたため“つなぎ”の部分にあたり、
将軍さまや藩主が上洛殿に向かうときには、ここを通ったようですよ。
名古屋城検定の受験勉強をしてるとき
(
関連過去記事
名古屋城検定「上級」を受験してきました)
本丸御殿について調べものをしても鷺之廊下の資料がぜんぜんなかったけれど
キレイな名前だったからよく覚えていたんですよね
その名の通り、障壁画には「鷺(サギ)」が描かれていました
壁面の上の部分にあたる「長押」にまで障壁画を描くのが、
寛永期(3代将軍・家光さまの時代)あるある・・・なんですって~素晴らしい。

第3期工事エリアの「上洛殿」とは、
3代将軍・徳川家光が上洛する際に宿泊する場所としてつくられた、御成御殿。
そのためここまで見てきた「玄関・表書院・対面所」とは比べ物にならないほど
格式が高くて、格段に豪華なのです

上洛殿 <三之間前の廊下から一之間方向を見る>

上洛殿 <三之間>
上洛殿の障壁画を描いたのは、江戸幕府御用絵師の狩野探幽。
三之間北面の襖絵は、探幽の代表作「雪中梅竹鳥図」。

長押につけられた飾り金物がキラキラで巨大

極彩色で彩られたド迫力の彫刻欄間

上洛殿 <二之間>

上洛殿 <二之間>
極彩色の彫刻欄間、天井にも板絵がはめこまれ、長押上の壁際まで障壁画が~。
さらに長押には、見事な彫刻入りの飾り金具つき。
壁、天井、あらゆる面が飾られる対象になっている分、
障壁画自体は水墨画で落ちつかせ、バランスを取ってるよう。
水墨で描かれた「帝冠図」は、
玄関部にあったきらびやかな「竹林豹虎図」とは違い、趣のある障壁画です。
参考過去記事: 「玄関・表書院・対面所・下御膳所」レポ
名古屋城「本丸御殿」玄関・表書院 いよいよ公開 [2013/05/29]
名古屋城「本丸御殿」対面所・下御膳所 いよいよ公開 [2016/06/01]

上洛殿 <一之間から上段之間方向を見る>
江戸幕府御用絵師の狩野探幽が描いた、上洛殿の障壁画の数々。
二之間~上段之間の障壁画の題材は、
中国明代に編述された中国皇帝の政治を絵画化した「帝冠図」。
ひとつひとつに将軍や大名の行動規範が絵で示されているので、
予習してからじっくりみると面白いですよ
一之間の襖の間から奥に見えるのが、「上段の間」。
「上段の間」と言うだけあって、床が一段あがっていますね。

上洛殿 <上段之間>
この間が名古屋城本丸御殿に於いて一番格式の高い「上段之間」。
絢爛豪華で、すべてが最上級

上洛殿 <上段之間>

上洛殿 <上段之間>
きらびやかな帳台構や違い棚。

上洛殿 <上段之間>

上洛殿 <上段之間>
天井は、二重折上げ小組格天井。
・・・ちなみに
「表書院」の上段之間の天井は、折上げ小組格天井でした。
(
名古屋城「本丸御殿」玄関・表書院いよいよ公開[2013/05/29])
上洛殿は折り上げ天井が2重になってるので、格の違いは一目瞭然です

とにかく目を惹く色あざやかな彫刻欄間ですが、
スゴイのはきらびやかさだけではなく、両面が違うデザインになってるところ。
判りにくいかもしれませんが、
ひとつひとつのモチーフが、3D状態で超立体的なのにも驚かされます
ここに江戸幕府3代将軍・家光さまが、
京へいく前にお泊りになったのかと想像するだけで楽しいでしょ
凄さは画像では伝わりにくいので、
ぜひ名古屋城本丸御殿まで足を運んでいただいて実物を見ていただきたいなぁ

(網戸越しなのでボンヤリしてすみませんが・・・)
本丸御殿上洛殿と名古屋城小天守と天守閣
玄関から順番に見ていくと、
奥に進んでいくとともにどんどん豪華さが増していくのが、見ごたえポイント。
でもホントに見ていただきたいのは、豪華さだけではないのですよ。
戦争で焼失してしまった名古屋城本丸御殿がここまで細部にわたって復元できたのも、
江戸時代の文献や、数多くの写真、昭和に計測した実測図が現在まで残されていて、
当時の姿を忠実に蘇らせることが可能だったから。
そして、復元できる技術を持つ
土木系・建築系・技術系・美術系の各職人さんが居てくれるからこそ。
次世代への技術の継承って、すごく大切ですよね
よろしければ、
着工からお披露目までの工程をレポした過去記事のリンクを下部にまとめています。
ぜひぜひご覧ください!

何処かの記事で見たことがあるのですが、
名古屋城本丸御殿の復元の定義が、
「天守閣を武の象徴とすれば、本丸御殿は文の象徴。
両方がそろって、名古屋城はよみがえる」・・・と、ありました。
本丸御殿の復元を検討していた時は「御殿ができれば」と思っていたようですが、
時代は進み、お次は天守閣の木造復元の番。
一時的にでも名古屋のシンボルがなくなってしまうのは淋しいですが、
本丸御殿同様、江戸時代の文献や多くの写真、実測図が残っていることから、
史実に忠実な木造天守閣を蘇らせてくれるとのことなので、すごく期待しています。
木造天守閣ができるまでは、本丸御殿が名古屋のシンボル。
かつて近世城郭御殿の最高傑作といわれた素晴らしい御殿を見に、
皆さまぜひぜひ名古屋城へいらしてくださいね~
名古屋城
http://www.nagoyajo.city.nagoya.jp
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名古屋城 本丸御殿 復元工事レポ
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1・ 名古屋城「本丸御殿」復元起工式
2・ 名古屋城「本丸御殿」復元工事経過 [2009/10/04]
3・ 名古屋城「本丸御殿」復元工事経過 [2009/11/18]
4・ 名古屋城「本丸御殿」復元工事経過 [2010/02/27]
5・ 名古屋城「本丸御殿」復元工事経過 [2010/04/17]
6・ 名古屋城「本丸御殿」復元工事経過 [2010/06/12]
7・ 名古屋城「本丸御殿」復元工事経過 [2010/09/25]
8・ 名古屋城「本丸御殿」復元過程「玄関部分」特別公開 [2010/10/16]
9・ 名古屋城「本丸御殿」復元工事経過 [2011/01/22]
10・ 名古屋城「本丸御殿」復元工事経過 [2011/07/16]
11・ 名古屋城「本丸御殿」復元工事経過 [2011/11/03]
12・ 名古屋城「本丸御殿」復元工事経過 [2012/01/07]
13・ 名古屋城「本丸御殿」復元工事経過 [2012/04/06]
14・ 名古屋城「本丸御殿」復元工事経過 [2012/09/15]
15・ 名古屋城「本丸御殿」復元工事「現場見学会」 [2012/11/03]
16・ 名古屋城「本丸御殿」復元工事経過 [2013/02/23]
17・ 名古屋城「本丸御殿」復元工事経過 [2013/04/01]
18・ 名古屋城本丸御殿「玄関・表書院内覧会」の抽選結果
19・ 名古屋城「本丸御殿」復元工事経過 [2013/04/28]
20・ 名古屋城「本丸御殿」玄関・表書院 いよいよ公開 [2013/05/29]
21・ 名古屋城「本丸御殿」復元工事経過 [2013/11/04]
22・ 名古屋城「本丸御殿」復元工事経過 [2014/02/09]
23・ 名古屋城「本丸御殿」復元工事「現場見学会」 [2014/11/01]
24・ 名古屋城「本丸御殿」対面所・下御膳所 いよいよ公開 [2016/06/01]
25・ 名古屋城本丸御殿完成公開記念式典の抽選応募結果