飯城「『ずっと一緒に居ようね』だぁ~??

ふざけんじゃねぇ!!おいおめぇら!!消火活動に入れ!!!」

川相「りょーかい( ̄~ ̄)£」

倉長「一気に行くわよ!!」

飯城「よっし!行くぞ!!

うりゃりゃりゃりゃ!!!」














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俺の名前は

飯城貴男、19才。

世間で言ういわゆるフリーターをしている。

いや、していたと言うべきか。

もう、ほとんどニート状態である。

そして、「飯城」という名字。

それはここら辺の地元、

または、ある関係にいる人ならば

誰でも一度は聞いたことのある名字だ。





飯城貴行、

5年前に亡くなった俺のじいちゃんである。

【伝説のレスキュー】と言われ

その伝説と言う名前に違わぬ

数々の活躍をしてきた。(らしい)

俺が子供だった時も、

じいちゃんに武勇伝を聞かされたものだった。

じいちゃん「ほーら、貴男、この記事が見えるか?!」

ばあちゃん「バカねぇ、まだ貴男は五歳なんですよ?新聞なんか分かるわけないじゃないの?(。-∀-)」

じいちゃん「へっ!別に文字を読めって言ってるわけじゃねぇんだ!

なぁ、貴男!!このデケェ写真にうつってるのがじいちゃんだ!!分かるか~?(*´∇`*)」

古い新聞を見ながらこんな

やり取りをしていたのも子供ながらに

うっすらと覚えている。




そして、これは後から

ばあちゃんに聞いた話だが、

早々と東京消防庁から

幹部に要請されていたのに、

「俺は生涯現役だ!!」とかなんとか言って、

結局定年退職するまで

第一線で活躍したらしい・・・

まさに【伝説のレスキュー】であった。

そしてそれと同時に、

じいちゃんは、オレにとって誇りだった。




そんな伝説が死んでしまったのは、5年前。

死因は癌であった。

年をとってもまだまだ元気だったじいちゃんは

あまり病院にも行かず

検診も怠っていたため、

ガンの発見が遅れてしまった。

そして、体が元気な故に

癌の進行か早く、

あっという間に体が弱まって死んでしまった。

だが、眠るように安らかな顔をしたじいちゃんが、

俺に最後にこんな言葉をかけてくれた。

じいちゃん「貴男...消防士ってのはな、人を護るって言う気持ちが大事なんだ・・・それを、、忘れんじゃねーよ」

オレ「じいちゃん・・・」

じいちゃんはそう言うと、

ゆっくりと目を閉じて、

二度とその目を開けることはなかった。





葬式には当時中学生だった俺でも知っている政治家や

やけに体のガッチリした男の人など、

とにかく、半端ない数の人が参列に来た。



そして、じいちゃんには

毎年年賀状も多く来ていた為、

「亡くなってしまったので、今年は何卒」と言う手紙を出すのに

俺がパソコンを使って何百枚と印刷していたので印象に残っている。

(ちなみにじいちゃんは年賀状を書いたことが無かったので

これが初めて向こうに送る手紙となったのはなんとも皮肉な事だと思う。)





そして、俺の父親である

飯城貴志は、現役消防士で

じいちゃんの行かなかった東京消防庁に単身赴任、

と言うかほぼ住み込みのような形で勤めている。

そこで、親父は教官として隊員を指導する傍ら、

現場に行っても、自ら火に入るような

危険な仕事をしているらしい。

我が親父ながら怖く、厳しく、寡黙で、じいちゃん以上に

消防士の誇りを持っている親父だと思う。




そして、俺は、

じいちゃんの居た地元の消防団に、

半ばコネのような形で、

何とか入れたものの、

飯城と言う名字に対する好奇の目。

そして、もともと運動神経もなかったオレは、

その訓練にもついていけず、

一週間と持たずに辞めてしまった。

そして、その噂は瞬く間に広まり、

オレは辞めてから始めた

バイトまでも行かなくなり、

ほとんど家に引きこもっていた。

幸い、金は稼がなくとも

食費以外、趣味もそんなになく、

金を使うことも無かったので、

とりあえず落ち着くまで

と言うことで母ちゃんは

許してくれた。

親父にはまだ、秘密だが・・・(。-∀-)






まさか、自分がこんなことになるなんて、

いや、自分が悪い、外に出なければとは思うものの

周囲の目が恐くてなかなか

外に出れない、そしてそんな中でハマったのが

mixiだった。

素性を隠して、適当にプロフィールを見立てて、

適当に入ったコミュニティでマイミクを作り、

何となく社会と繋がっている気になることができた。

また、

「オレは2chなんかにハマるようなダメなヤツなんかじゃねぇ。」

なんて思うことで、自分を正当化していた。



そこで、またいつものように

コミュニティを転々としていたところ、

こんなコミュニティを見つけた。

「『mixi消防団』?・・・なんだこれ?

えー、なになに?

『カップルばかりの、こんな世の中おかしいと思いませんか?www

僕らmixi消防団の力でそんなカップルの恋の火を消火していきましょうww』


?、良くわかんねぇけどw

なんか、面白そうだなww

ちょっと入ってみっか!参加!と。

んじゃー、寝るか、おやすみー」








mixi消防団、

ここに入ってから、

オレの人生は、

良くも悪くも動き出していったのであった...



続く―――――