出会ったときは、
君はもう立派な大人だった。
どこで、生まれ
どんな生き方をしていたのか。
本当の名前はなんと言うのか。
何才なのかさえ、さっぱりわからない。
ただわかるのは、
首輪のあとがないこと。
行動から、
散歩はまともにしたことがない。
そして、その風貌から
そこまでの歳じゃないだろうに
歯が欠損していたこと。
たぶん。猟犬だったんだろうね。
歳をとり、猟に使えなくなって、
山に置き去りにされたんだろう。
保護された場所で、残された日々は1週間
前の愛犬を病いで亡くしたばかりのうちには
最初から君の居場所があった。
まるで、用意されたように。
反対する旦那を、承知させたのは
人懐こい君の性格
まるで、自分の場所のように
そこにあった犬舎に、当たり前に入り
ご飯をパクパクたべ、
滞在1日目から番犬をかってでた。
そして何より、吠える声が
前の子にとても似ていた。
わたしたちは、あの子の生まれも
本当の名前も、何も知らない。
君を亡くした今も、これからも。
知っているのは、共に過ごした
6年間の時間の君だけ。
ありがとう。
さよなら。
君は少しだけ、幸せだったと。
信じていい?
わたしたちは、とても幸せだったでした。
ありがとう。
そして、ごめんね。