創作和食のお店で、軽く飲みながら話す。
映画のこと。
最近の職場のこと。
趣味の話。
話していて、全く話は尽きない。
かと言って、沈黙も辛くない。
でも、今までと同じように楽しいのに、今までとは何か違った。
彼と、お互いの飲み物を味見したり。
何か、ふとした瞬間に、目が合って笑ったり。
ニコニコしている彼の心は、何となく読めない。
何か言いたそうな、雰囲気。
デザートのゼリーを食べていると、デザートと言ってお茶漬けを食べていた彼が、
「おいしそうだね。」
と言った。
「ちょっと食べてみる?」
と私は答えて、店員さんを呼ぼうとする。
すると彼は、
「谷岡さんがいいなら、そのスプーンでいいよ。」
と笑った。
「あ。それは別にいいけど…。」
私は、内心ドキドキが振り切っていた。
耐えきれなくて…私は思い切って訊いてみる。
「山田くん。
山田くんは…何を考えているのかな。
私は。私は……。」
そこまで、勇気を振り絞って言ったところで、山田くんはその続きを、そっと制した。
「それは…後で。」
伝票を持ちながら、行こうかと目で合図を送ってきたので、私もあわせて立ち上がった。
「ここじゃ、騒がしいしね。」
山田くんの言葉に、私の胸は、期待と不安でいっぱいになった。