先輩との出会いを通じて、私の中では何かが変わろうとしていた。


山田くんとは、また部署が離れ、彼はまたお局のところにいた。良いでしょ、とばかりに見せつけ、わざわざ要らないことを言いふらし、私にも言う彼女から逃げるように、私は仕事に没頭していた…。



でも、それだけ?

それだけで私、後悔しない?



山田くんに対して、もう一つ踏み切れなかった。
そして彼は、違う部署に行ってしまった。
もし、もっと遠くーー例えば、転勤したら?



思い悩んでいる内にもどんどん日は過ぎて。





職員旅行に行くことになった。

バスで、適当な二人がけに座り、ボンヤリと出発を待つ。

なけなしの、お目かしは、山田くんに気付いてもらえるだろうか。

俯いていた私の頭に、声が響く。



「ここ、いい?」



ーーーーーーえ。




そこにいたのは、彼だった。