駅に消えた後ろ姿。



思い出す度に、ギュウッと胸が締め付けられるような…引きとめたいような…不思議な気持ちになる。



どうしたの、私?



それが、恋だと気が付いたのは、冬に入ろうかという頃だった。



そうか、私、好きなんだなあ。



でも、良い感じになればなるほど、お局のイジメがひどくなって行った。彼女は、自分が貸してやった駒と私が良い感じになったことが気に入らなかったのだ。それは、周りにあることないこと何でも吹聴して回る姿を見ても明らかだった。



でも、好きな気持ちは変えられないし、イイヒトー改め山田さんーが声をかけてくるものを、かわすのもおかしいし。



そんなこんなしている間にも、時は流れて。



私がある大きなプレゼンをすることになった。また忙しくなったが、山田さんが手伝ってくれるので何とかなりそうな気がしていた。



とは言え、本番が近くなると緊張でピリピリ…。




そんな私に、ふと山田さんが言った。







「谷岡さん、よかったら映画行きませんか?
   プレゼンの景気づけに。」
(谷岡は紫の苗字です。)






え?



え?



ええええええ???!!!!





私の心は、パニックでひっくり返った!