電灯のない夜道を横切ったのが猫だと気付いたのは

ねだる様な媚びた声で鳴いたからだ

足の先と胸の部分が白い黒猫

白のソックスとナプキンを掛けた様だと思った

そういう風に見ると少し笑えた


彼(もしくは彼女)が逃げないように

恐る恐る近づく

どうやら人には慣れているらしく

彼の方から近づいてきた


ナァー

そう鳴きながら体を擦り寄せてきた

この媚びた声が僕は好きだ

ごめんな、生憎君が欲しがるものは持ち合わせてないんだ

眉間を優しくマッサージしながら声をかける


なんだじゃあ用はないわ

さっきまでとは別人のような、

いやこの場合別猫と言った方が正しいのだろうか

とにかく道につばを吐き捨てて行く勢いで

猫は闇に消えて行った


なんだ

メスだったのか