彼に気づいたのは

注文の品がテーブルに運ばれて来た時だった

友達、というよりは知り合い(目が合えば挨拶を交わす程度の)仲である

だから、店内で大きな声を出して名前を呼ぶのははばかられた

目が見つめ続けるか、

しかし男を見つめることには多少抵抗があった

トイレのついでにでも挨拶をすればよいか

それが一番自然に思えた

よしそうしよう

考慮の時間は1分ほどだった

席を立ち

彼の席へと近づいた












しかし











彼はいなかった



確かに席は間違いないのだ

1分前は確かに彼が座り

食事をしていたのだ

だがその席には

彼がいないどころか

先ほどまで見なかった中年の男が座っていた


そこで重要なことに気づいたのだ




そうだ













ここは












回転の早い松屋だったのだ