キオクシアホールディングスが2026年7月31日に発表した2027年3月期第1四半期決算は、AI向けデータセンター需要を追い風に、売上収益・利益ともに大幅な伸びとなりました。

4〜6月期の売上収益は1兆7,671億円で、前年同期の3,428億円から約5.2倍となりました。

IFRSベースの営業利益は1兆2,700億円、親会社の所有者に帰属する四半期利益は8,422億円となりました。

前年同期の営業利益449億円、純利益183億円から、利益規模が大きく拡大しています。

◼️決算の主要数値

2026年4〜6月期の売上収益は1兆7,671億円で、前年同期は3,428億円でした。

営業利益は1兆2,700億円で、前年同期は449億円でした。

Non-GAAP営業利益は1兆3,262億円で、前年同期は452億円でした。

親会社の所有者に帰属する四半期利益は8,422億円で、前年同期は183億円でした。

基本的1株利益は1,539.91円で、前年同期は33.90円でした。

前四半期との比較でも、売上収益は1兆29億円から1兆7,671億円へ増加し、営業利益は5,968億円から1兆2,700億円へ拡大しました。

会社は増収の主因について、「生成AI用途を中心としたデータセンター向け顧客の需要が旺盛に推移したことによる平均販売単価の大幅な上昇」と説明しています。

◼️SSD・ストレージ事業がけん引した

用途別では、SSD&ストレージの売上収益が1兆1,747億円となり、前四半期から5,744億円増加しました。

スマートデバイス向けも5,257億円となり、前四半期から1,883億円増加しています。

AIサーバーでは演算用半導体だけでなく、大量のデータを保存するNANDフラッシュメモリやSSDの重要性も高まっています。

今回の決算は、AI投資の恩恵がGPUやHBMだけでなく、NAND市場にも本格的に波及していることを示す内容でした。

一方、営業利益には株式報酬費用194億円と訴訟損失引当金366億円が含まれています。


これらを調整したNon-GAAP営業利益は1兆3,262億円であり、本業の収益力はIFRS営業利益を上回りました。

◼️7〜9月期は営業利益1.9兆円を予想している

会社の上期累計予想から逆算すると、7〜9月期は売上収益2兆3,900億円、営業利益1兆9,000億円、親会社帰属利益1兆2,700億円を見込む計算になります。

ただし、Reutersによると、7〜9月期の営業利益予想1兆8,900億円は、LSEGが集計したアナリスト8人の平均予想1兆9,500億円をやや下回りました。絶対額としては非常に高いものの、市場の期待値も大きく上昇している点には注意が必要です。

◼️8000億円の自社株買いと1対3の株式分割も発表しました

決算と同時に、キオクシアは上限8,000億円、上限3,000万株の自己株式取得枠を設定しました。取得株数は分割前の発行済み株式数の5.5%に相当し、取得期間は2026年8月3日から10月30日までです。

さらに、9月30日を基準日として普通株式1株を3株に分割しました。

◼️僕なりの評価

今回の決算は、業績そのものは非常に強い内容です。売上の約3分の2を占めるSSD&ストレージが急成長し、高い平均販売単価が利益率を押し上げました。加えて、巨額の自社株買いは1株当たり価値を支える材料となります。

ただし、株価を考えるうえでは「好決算かどうか」だけでなく、すでに織り込まれた期待を上回れるかが重要です。7〜9月期の営業利益予想は過去の水準と比べれば極めて大きい一方、市場予想をわずかに下回りました。短期的には、強い実績と株主還元を評価する買いと、高すぎる市場期待への未達を警戒する売りがぶつかる可能性があります。

◼️参考

- キオクシアホールディングス「2027年3月期 第1四半期決算短信」
- キオクシアホールディングス「自己株式の取得枠設定に関するお知らせ」
- キオクシアホールディングス「株式分割及び定款の一部変更に関するお知らせ」
- Reuters「Kioxia forecasts $11.78 billion Q2 operating profit」