PFAS 血中濃度 多摩7市 兵庫・明石川エリアの住民9人に6人 基準値越え


■PFASの血中濃度 基準値越え 多摩7市 兵庫・明石川

 毒性が指摘されているPFASの血中濃度が基準値を超えていることが分かった。東京都の多摩7市と兵庫県・明石川エリアの住民だ。
 多摩7市では住民の67%が「健康被害の恐れ」。また兵庫県・明石川エリアの住民9人中6人が指標値を超過していたとされる。

 多摩地区には米軍立川基地があり、米軍基地が原因ではないかとされているし、兵庫県・明石川エリアの場合は「水道水」が原因ではないかとされている。

 いずれにせよ、将来「癌が発生する」リスクを住民は負っているとされ、早急な対策が必要である。


 

ーーーーーー(引用)ーーーーーー
PFAS血中濃度「健康被害恐れ」が住民の67% 多摩7市は都が汚染で井戸止めた地域 市民団体分析
2023年9月21日 20時37分 東京新聞

<PFASを追う>
 東京・多摩地域で水道水源の井戸が発がん性の疑われる有機フッ素化合物(PFAS=ピーファス)で汚染されている問題で、住民の血中PFAS濃度の検査に取り組む市民団体が21日、計791人分の分析結果を報告した。都水道局が汚染で井戸の取水を停止した7市の住民の67%が、米国で「健康被害の恐れがある」とする指標を超えていた。受検者向けの健康相談外来で、PFASが発症リスクを上げる脂質異常症を「治療中」と答えた割合が、国調査の平均の約2倍だったことも判明した。(松島京太)


血液検査の追加調査分の結果を報告する原田浩二准教授(右画面内)ら=立川市で

 

◆「基地が発生源であることは間違いない」
 調査は昨年11月から、市民団体「多摩地域のPFAS汚染を明らかにする会」と京都大の原田浩二准教授(環境衛生学)が実施。今年6月の「最終報告」で検査人数が10人未満だった自治体を中心に141人を追加で検査。多摩30市町村の住民の汚染傾向を把握するため、血中のPFOS(ピーフォス)・PFOA(ピーフォア)・PFHxS(ピーエフヘクスエス)・PFNA(ピーエフエヌエー)の4種類を分析した。
 多摩地域全体では、4種合計で米国指標を超えた割合は46.1%。都水道局が2019年以降に井戸の取水を止めた7市(立川・国分寺・国立・小平・調布・府中・西東京)でみると、67.9%とより強い汚染の傾向がはっきりとした。
 汚染源として浮上しているのが米軍横田基地(東京都福生市など)だ。米軍は過去にPFASを含む泡消火剤の大規模漏出があったことを認めている。それにより汚染された井戸を水源とした水道水を住民が取り込んだ可能性がある。分析を担当した原田准教授は「基地が発生源であることは間違いない」と指摘する。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/278924

ーーーーーー

PFAS血中濃度、9人中6人「指標超え」兵庫・明石川エリアの住民
天野剛志2023年9月21日 17時00分 朝日新聞

 健康への影響が懸念されている有機フッ素化合物のPFAS(ピーファス)をめぐり、京都大の小泉昭夫名誉教授(環境衛生学)と兵庫県議の丸尾牧氏は21日、明石川流域の明石市民の血中濃度を発表した。対象の9人のうち6人が健康リスクを予防する指標値を超過していたといい、「水道水が原因と考えられる」と指摘した。

 PFASは国際的に問題が指摘され、環境省が2019年度に全国の主な河川と地下水などでPFASを代表するPFOS(ピーフォス)とPFOA(ピーフォア)について調査した。

 その結果、国の暫定目標値が両物質の合計値で1リットル当たり50ナノグラムなのに対し、明石川は105・4ナノグラム(水道取水口)と県内一の高い数値だった。

 そこで今回、明石川を水源とする水道水のエリアの9人を抽出し、両物質などの血中濃度を調べた。

 小泉氏によると、学術団体の米国アカデミーが示した指標値「血液1ミリリットル中、7種類の物質の合計値が20ナノグラム」に対し、今回の9人は12~55ナノグラム(平均26ナノグラム)で、3人が指標値を超えた。

 またドイツ環境庁の専門委による指標値「血液1ミリリットル中、PFOSが20ナノグラム、PFOAが10ナノグラム」についても6人がPFOAの値が超過していたという。

 環境省によると、現時点ではPFASがどの程度で健康に影響が生じるか不明なため、日本国内に血中濃度に関する基準はない。

 小泉氏は「今回の調査で、人の体内には指標値を超えるPFASが残っていることが判明した。ただちに個々の健康の被害に結びつくものではないが、今後、市は本格調査をし健康状態も追跡してほしい。早急に排出源も突き止めてもらいたい」と話した。

 明石市の水道をめぐっては明石川を水源とする明石川浄水場のPFOSとPFOAの合計値が19年度で1リットル当たり46ナノグラムと、国の暫定目標値の50ナノグラムに迫ることが判明。市は明石川の水を使うもう1カ所の浄水場とともに活性炭を増やし、今年6月時点にはそれぞれ5ナノグラムと7ナノグラムまで低下した。(天野剛志)

https://www.asahi.com/articles/ASR9P5F0CR9NPIHB01G.html
ーーーーーー


■国は何もしない。自己防衛を図るべきだ。

 PFASの全国的な汚染状況からみて、日本の「水」は危機的な状況だと考えられるが、各自治体や民間団体が調べて「こんなに危険ですよ」とアピールはするものの、国も自治体も具体的な問題解決を図ろうとはしていない。

 国が何かをやってくれるのをまっていたら、住民の多くは「健康被害」に晒されるだろう。人によっては「癌」になったり、他の病気になってしまうことも考えられる。

 ここはひとつ「自分のため、自分の家族のために自己防衛」をはかることを考えた方がいいだろう。

 自己防衛には「安全な水を入手すること」が含まれる。経済的に大変でも「PFAS」の含まれた「汚染水」を飲用しているのは、危険以外の何物でもない。

 金銭的に余裕がある人は、住まいの移転も検討した方がよいかもしれない。調べれば、PFASが検出された地域の名前は既に公表されているので、そういう地域を避けて生活する場を変えるという方法もある。

 日本では、安心安全に生活ができる場所は少ない。少なくとも「水」と「空気」だけは「きれい」な場所に暮らしたいものである。そういうエリアは「食料」も安心な場合が多い。 

 PFASに関連して言えば、コーティングされたフライパンなどは、危険なのですぐにでも「鉄製フライパン」に変えることをお勧めしておく。

***