最悪の伝染病ペストが中國・モンゴルで発生



■ペストの流行の悪夢が始まるのか

 マクニールの『疫病の世界史』には、ペストは近代でもマーモット経由で満州で清の時代後半ごろから入植していた漢民族の農民中心に流行が起きて、第二次世界大戦とその後も地方的な流行が起きていたと書かれている。つまりペストの発症は今回も同様のようである。現代は感染対策も抗生物質もあるので過大に恐れるのも必要はないと思われる。

 ペストは流石にまずい、すぐ観光客の入国を禁止してくれなどと言う声も上がるが、世界的にはどうやら毎年約2000人の感染者はいるようだ。

 「濃厚接触者は隔離・規制された。その後は異常が発生していない」と新聞記事は書いているが、これを記事通り信用してはならないだろう。

 

 昔ほど不安になる必要はないが、かといって安心していていいということはない。
 その後の続報を待つほかない。


ペストが発生した地域


マーモット



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「最悪の伝染病」ペスト、中国とモンゴルで再び発生

8/19(土) 9:27配信
朝鮮日報日本語版

(写真:朝鮮日報日本語版) ▲写真=UTOIMAGE

 14世紀に欧州で少なくとも数千万人の人々を死亡させたペストが最近、中国とモンゴルで再び発生した。

 ロイター通信や新華社通信などによると、今月7日(現地時間)、中国北部のモンゴル自治区内でペスト患者が発生したとのことだ。その五日後の12日には同居する家族2人について追加で感染が確認された。この2人は最初の感染者の夫と娘であることが分かった。

 中国保健当局では「濃厚接触者は隔離・規制された。その後は異常が発生していない」と述べた。

 モンゴルでもペストが疑われる症状が報告された。報道によると、8日にモンゴルの首都ウランバートルで疑い例が3人報告されたという。3人は全員、野生のげっ歯動物「マーモット」の肉を食べたとのことだ。モンゴルはマーモットの捕獲を厳しく禁止しているが、多くのモンゴル人がマーモットを違法に捕獲して食しているという。

 ペストは、マーモットや野ネズミなどのげっ歯動物の体液または血液と接触したり、げっ歯動物に寄生するノミに刺されたりして感染する。ペストは医学の発展や個人の衛生に対する認識の高まりで全世界のほとんどの地域で消えたが、依然としてアジア・北米・アフリカなどでは散発的に発生している。

 ペストに感染した場合、血管内凝固症で壊死などの症状が現れ、皮膚が黒くなるため、「黒死病」と呼ばれた。通常2-6日間の潜伏期間を経て、悪寒・発熱・筋肉痛・関節痛・頭痛などの症状が現れる。呼吸困難・咳・痰・血圧低下・腎臓機能低下などの症状も見られる。治療時期を逃すと多発性臓器不全または死に至ることもある。致死率は50-90%に達し、疾患の進行が速いため、感染が疑われる場合は直ちに病院に行かなければならない。

 ペスト感染を予防するには、外出先から帰った後の手洗いなど、個人で徹底的に衛生管理に努めるほか、野生のげっ歯動物の肉は避けなければならない。また、野外活動時に長袖・長ズボンの服を着用することも役に立つ。

チョン・チェビン記者

https://news.yahoo.co.jp/articles/5a5faac2db7d932d0dbc2d594b240fb974c6ff91
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■ペストの流行は防ぎたい

 モンゴルも中国も、今年は洪水で凄まじい被害出てるから住みかを追われたネズミが人の生活圏に逃げて拡大してきた結果かもしれない。
 しかも、モンゴル人はマーモットを食するから、そこからの感染の疑いがある。マーモットはペストの感染源なのだ。
 いずれにしても、感染者が一人出ればその接触者も感染するという流れで感染者が激増すのがペストなのだ。

 14世紀には、世界中で数千万人が無くなったと言うから、その凄まじさは言語を絶したものであろう。いまのコロナどころではなかったに違いない。

 現代は感染対策も抗生物質もあるので、14世紀ほどのことにはならないと考えられる。が、致死率は50〜90%だというから、感染したら恐ろしいことになる。

 心配しなければならないのは、コロナ後の海外旅行者の受け入れで、中國などの需要を見込んでいる日本などは、隠れた濃厚接触者が来日して、日本中を楽しく旅しているうちにペスト菌がばらまかれることだろうか。

 海外の人と触れあう機会の多い人は、毎日の手洗いやうがいなどの生活習慣を徹底することなど、健康管理に気を付けるほかない。

 とにかく、怖い世界だ。

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