2000年間「不可能」だったピタゴラスの定理の解法を高校生が発見


■不可能だった「ピタゴラスの定理」の証明

 成し遂げたのは、アメリカの高校生。ギリシャの数学者ピタゴラスが発見したと言われる「ピタゴラスの定理」はこれまで2000年間、三角法による証明は不可能とされてきたが、このほど二人の女子高校生によって証明されたようである。

 難しい説明は、専門家の解説を読んでいただきたいが、これは若い学生による「快挙」だと報じられている。
 数学のような地味な分野で、専門の学者もできなかったことを高校生が成し遂げたという点が高い評価につながっているようである。


【ピタゴラスの定理とは】
 日本では中学3年生の時に学習する数学の基本定理の一つである。
 紀元前540年ごろギリシアの数学者ピタゴラスが発見したものといわれ、ピタゴラスの定理として知られている。 日本では三平方の定理という呼び方が第二次世界大戦中に考案され、以後通称となった。 この定理の逆も成り立つ。 すなわち、三角形の1辺の平方が他の2辺の平方の和に等しければ、始めの辺に対する頂角は直角である。
 ピタゴラスは,寺院を訪れたとき,床のタイルの模様からピタゴラスの定理を発見したと言われている。

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2000年間「不可能」だったピタゴラスの定理の解法を高校生が発見

    2023-5-10 Fabcross for エンジニア
    制御・IT系, 技術ニュース, 海外ニュース
    AMS(アメリカ数学会), Calcea Johnson, Ne’Kiya Jackson, St. Mary's Academy, ピタゴラスの定理, 三平方の定理, 三角恒等式, 三角法, 学術, 正弦定理


アメリカで2人の高校3年生が、数学者たちを驚かせる発見をした。これまで不可能と考えられていた「三角法を用いたピタゴラスの定理の証明」に成功したのだ。St. Mary’s Academyに通う彼女らは、定理の証明を作成するという冬休みに出された数学コンテストの課題に答える形でピタゴラスの定理を証明し、アトランタで開催されたアメリカ数学会(American Mathematical Society:AMS)の春の南東部分科会に招待されて、2023年3月18日に学会で発表した。

「三平方の定理」とも呼ばれるピタゴラスの定理は、2000年以上の歴史を持つ数学の基本定理の一つだ。「直角三角形の斜辺の2乗は他の2辺の2乗の和に等しい(a2=b2+c2)」というこの定理を、日本では中学3年生で学習する。

ピタゴラスの定理の証明自体は2000年前からさまざまな方法で行われてきたが、三角法を用いた証明は不可能と考えられてきた。なぜなら三角形の角の大きさと辺の長さの関係を基本とする三角法は、ピタゴラスの定理に基づいた恒等式や法則が多いため、証明すべき結論が前提に含まれる循環論法になってしまうからだ。事実、これまでに多くの数学者たちが三角法を用いたピタゴラスの定理の証明を試みてきたが、全て失敗に終わっている。

しかし、Calcea JohnsonとNe’Kiya Jacksonの2人の高校生は、ピタゴラスの定理を用いない基本的な三角法の法則「正弦定理」を用いてピタゴラスの定理を証明した。彼女たちの証明は、ピタゴラスの三角恒等式であるsin2θ+cos2θ=1とは無関係だ。この証明を見たSt. Mary’s Academyの教師らはその成果が特別なものだと感じ、AMSに連絡を取り、学会発表へとつながった。彼女たちの発表後、AMSはこの証明を査読付き論文として投稿するよう声明を出している。

https://engineer.fabcross.jp/archeive/230510_proof-of-pythagoras.html

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023年04月10日  gigazine
10代の少女がピタゴラスの定理の新しい証明を示す、「最も美しい証明」と評価


アメリカ数学会で2人の10代の少女がピタゴラスの定理について新しい証明方法をプレゼンテーションしたことが話題になっています。応用数学の専門家であるキース・マクナルティ氏は「性別、民族、社会人口学的背景に関係なく、喜びと情熱があれば誰でも、研究分野での卓越性は達成可能であることを示す素晴らしい出来事」と評しているほか、その証明方法自体が波紋を呼んでいます。

Here’s How Two New Orleans Teenagers Found a New Proof of the Pythagorean Theorem | by Keith McNulty | Apr, 2023 | Medium
https://keith-mcnulty.medium.com/heres-how-two-new-orleans-teenagers-found-a-new-proof-of-the-pythagorean-theorem-b4f6e7e9ea2d

American Mathematical Society(アメリカ数学会、AMS)に対してルイジアナ州ニューオリンズ出身の10代の少女であるカルシア・ジョンソン氏とネキヤ・ジャクソン氏の2人がプレゼンを行い、ピタゴラスの定理の新しい証明を示しました。2人は学生であり、アフリカ系アメリカ人の女性という特徴は数学会の大多数を占める人口とは正反対となっていたことから、マクナルティ氏は「選択した研究分野での卓越性は、誰でも常に達成可能であるということを鼓舞する素晴らしい出来事です」と述べています。

またマクナルティ氏によると、このプレゼンが大きな話題を生んだのには大きな理由があり、証明方法自体が高名な数学者たちをもうならせるものであったとのこと。

そもそもピタゴラスの定理とは、「直角三角形の3辺の長さのうち2辺が分かっていれば残りの1辺の長さを計算できる」というもので、「a2+b2=c2」という数式で表されます。日本では「三平方の定理」として中学で学習する数式ですが、数式の証明には数百通りもの異なるパターンが示されています。


このピタゴラスの定理の証明を、「三角法」を用いて行ったことが数学会に大きな衝撃を与えたとマクナルティ氏は指摘しています。三角法とは、三角形の角の大きさと辺の長さの関係を基礎として、他の証明や測量などの研究へ応用する学問分野ですが、その三角法自体がピタゴラスの定理に依存しているため、三角法でピタゴラスの定理を証明することは「前提のなかに結論を入れる」といういわゆる循環論法に当たるため、「ピタゴラスの定理を三角法により証明することは不可能」とされていました。

しかしマクナルティ氏によると、「ピタゴラスの定理は三角法で証明できない」という観点はここ数十年で疑問視されるケースが多くあり、証明が何度も試みられてきたそうです。そのためジョンソン氏とジャクソン氏の証明が「最初の三角法によるピタゴラスの定理の証明」というわけではありませんが、マクナルティ氏は彼女らの証明を「これまでに見た中で最も美しく、最も単純な三角法の証明である可能性があります」として高く評価しています。合わせて、これは若くて鋭い知性が成しえた仕事であり、多くの経験豊富な数学者の特徴を明確にする興味深い事象だとマクナルティ氏は述べています。

 「従来はサインの法則を証明に使用できないという信念があり、そのためピタゴラスの定理を三角法、ないしサインやコサインを用いて証明するのは不可能だと考えられてきました。これが打破されたため、創造的で予想外の証明だと言われたと考えられます」とジョンソン氏とジャクソン氏の証明の何が画期的だったかを説明するコメントもありました。

また、数学会にはあまり例がない南部出身のアフリカ系アメリカ人の少女2人による証明ということが驚きを呼んだことについて、社会的背景によって学問が阻害されるべきではないといった意見を含む議論が交わされるほか、「彼女らの証明は素晴らしい業績であるのは間違いないが、マクナルティ氏の記事では、彼女たちが有名な私立高校に通っているということに触れていません。この業績について『学問に届きにくいエリアからの達成』というようなストーリーを語るには問題があると思います」とする意見も寄せられています。
https://gigazine.net/news/20230410-teenagers-pythagorean/

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■日本にも出て欲しい若者の成功例

 日本で学問的に優れた結果を出す若者の存在は、あまり聞かない。スポーツなどでは、優れた選手達が多く輩出しているのに、学問や芸術の分野では少ないようだ。
 これは、おそらく現在の日本の教育に起因するものかもしれない。もっと自由な発想でものごとを考える訓練や、ものごとに捕らわれず大人の意見もものともせずに取り組む空気が必要なのだろうと思う。
 日本の教育の多くは、教師の言うことを聞いて、黙って従うことが最優先されることだ。子どもたちの新しい発想や、思いつき、アイデアなどを引き伸ばしてやれる教師が少ないからだろう。
 アメリカ南部のアフリカ系アメリカ人の女子高校生による快挙は、大いにうらやましいところだ。日本の高校生も、何事かを成し遂げることを祈って止まない。

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