■オリンピック ドーピング問題で 参加年齢の引き上げに発展か!?

 

 北京冬期五輪2022で、様々な問題が起きているようだが、ROC(ロシア五輪委員会)のフィギアスケート選手のワリエワ選手のドーピング問題はことさら大きく取り上げられた。

 

 女子フィギアスケートのワリエワ選手15歳の12月提出の検体から禁止薬物が検出されたとして一時出場停止処分となったが、これが二転三転して結果として16歳未満は選手の責任ではないとして出場が認められる。だが、ドーピングが否定されたわけではないとして世界的な注目を浴び、結局ワリエワ選手はフリーの競技で転倒を繰り返すなどボロボロの結果で第4位となりメダル獲得はならなかった。

 

 ワリエワの競技の前に西側の報道陣が会場を後にするなど激しい反応を見せ、ワリエワ選手に相当のストレスがかかったとも見られている。

 

 また演技を終えたワリエワ選手に対してコーチが激怒して「なぜ戦いを放棄したのか、理由を説明しなさい」など激しい言葉をぶつけるシーンも報道され、議論となった。

 

 また、銀メダルを獲得したトゥルソワ選手17歳は、演技後祝福の手を差し伸べるコーチの手を振りほどき、「あなたは、すべてを知っていたくせに」と、その祝福を拒否したことも話題となった。

 

 メダルの授与式では、日本の坂本花織が自己最高得点で銅メダルを獲得し満面の笑みで望んだが、金銀を獲得したロシア選手に笑顔は少なく、なんともちぐはぐなものであった。 

 

 ロシアのオリンピックに対する姿勢が読み取れるものだったが、まともに競技に臨んできた選手達にも、またオリンピック競技を楽しみにしてきたファン達にも異様さだけが印象に残る不思議な大会となった。

 

 

 可能性として、今後ワリエワのドーピング違反問題は尾を引くだろうし、オリンピックの参加年齢問題にも発展してゆく可能性がある。

 

 いずれにせよ、ドーピングをしてまでメダル争いをするようなオリンピックのあり方まで問題にされるようになるだろう。

 

 

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ワリエワの結果はIOC「暫定成績」扱い 3位以内なら表彰式なし…異常事態のまま17日女子フリー

[ 2022年2月17日 05:30 ] スポニチ

練習するワリエワ(撮影・小海途 良幹)

Photo By スポニチ

 

 昨年12月のドーピング違反が発覚しながら北京五輪出場継続が認められ、フィギュアスケート女子SPで1位となったカミラ・ワリエワ(15、ロシア・オリンピック委員会=ROC)が、17日のフリーに出場する。国際オリンピック委員会(IOC)は16日、ワリエワの結果は暫定成績になると発表する一方、会見欠席を容認する姿勢を示した。疑惑の15歳が3位以内なら表彰式は行われない。異様な状況で、冬の女王争いが展開される。SPで自己ベストをマークして3位発進した坂本花織(21=シスメックス)ら日本勢もこの日、本番リンクなどで調整した。

 ワリエワは16日、本番リンクで公式練習に参加した。フリー「ボレロ」の曲かけでは冒頭の4回転サルコー、3回転半、4回転トーループからのコンビネーション2本を次々に着氷。3回転半の着氷が乱れ、自身が持つ世界最高得点を8・29点も下回った15日のSPからは見違えるような滑りだった。40分の割り当て時間を5分残して切り上げ、関係者と談笑しながら取材エリアを通過。夜の練習には姿を見せなかった。

 

 絶対的優位は揺るがないフリーを前に、IOCのアダムス広報部長は、ワリエワがROCの金メダルに貢献した団体と個人の結果は暫定成績として取り扱うと発表した。各国・地域の獲得メダル数にも注釈がつくという。ドーピング違反の予備検体も未分析の状態で今後処分が下される可能性があるためだが、フリーで世界最高得点を更新しても「金メダル獲得」とは言えず、表彰式も行われない。

 

 義務ではないとはいえ、SP後のワリエワは「気分が優れない」(ROC)との理由で通常3位までが出席する会見を欠席。アダムス広報部長はフリーでも「強要は適切ではない。(出席の)可能性は低いと思う」と容認する考えを示し、公には無言で北京を去る公算が大きい。スポーツ仲裁裁判所(CAS)が出場を認めたばかりに異例の状況が続いており、ロシアを除く各国から批判が続出。米NBCや韓国のテレビ局は、SPの演技中にコメントをしない放送で抗議姿勢を示した。

 

https://www.sponichi.co.jp/sports/news/2022/02/17/kiji/20220217s00079000044000c.html

 

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号泣するワリエワ15歳に「理由を言いなさい!」と激怒…ロシアの“鬼コーチ”エテリの正体とは?「極度のマスコミ嫌いで謎が多い」

 

フリーではまさかのミスを連発し、総合4位となったワリエワ。演技後にエテリは彼女を糾弾した photograph by JMPA(photograph by JMPA)

 

号泣するワリエワ15歳に「理由を言いなさい!」と激怒…ロシアの“鬼コーチ”エテリの正体とは?「極度のマスコミ嫌いで謎が多い」

 

https://news.yahoo.co.jp/articles/28d354764003945c2e9f72cc2faa3a607684cfda/images/000

 

2/18(金) 17:06配信

 

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トゥルソワ17歳「2度と氷の上に立たない!」 なぜロシアの最強エテリチームに亀裂が入った? 選手が“移籍→復帰”を繰り返した歴史

posted2022/02/18 17:05 NUMBER BUNSHUN

 

2月17日のフィギュア女子の表彰式直前、号泣しながらエテリコーチの腕を振りほどくトゥルソワ

text by Akiko Tamura

 

北京オリンピック女子フィギュアスケートは衝撃の幕引きとなった。ドーピング違反の疑いのある15歳のワリエワを始め、ROCから出場した3選手を指導するのが、“鬼コーチ”として知られるエテリ・トゥトベリーゼだ。リプニツカヤ、ザギトワらを輩出した名門だが、その指導の裏には度重なる“移籍騒動”や極度の水分制限など、不健全な実情があった――。

 

金メダルのご褒美が「アイスクリームひとつ」だけ

 2018年平昌オリンピックでは、女子が終了した数日後にメインプレスセンターでロシアの連盟が改めてエフゲニア・メドベデワとアリーナ・ザギトワの会見を行った。

 その時にザギトワがどうやって金メダルのお祝いをしたのかと聞かれ、「アイスクリームを食べました。でもひとつだけです」と答えると、メドベデワが「ちょっと待って。私はそれ聞いてない」と応対した。会場は温かい笑いに包まれた。

 

 筆者はあの時、まだ若い彼女たちのちょっとしたご愛嬌のジョークくらいに思っていた。だが大会中水も飲ませてもらえなかったのなら、アイスクリームのご褒美は記者会見で口にするほどの大事件だったことも頷ける。

 

 その後メドベデワはカナダのブライアン・オーサーコーチのもとに移り、初めてプロの栄養士のアドバイスを受けるようになったというが、それまでは体重の増減が激しく、食べ物との健全な関係を築くことが難しかったのだという。

 ザギトワはオリンピックで優勝してから1シーズンだけ滑り、競技を引退。その理由の一つとして下の世代と競っていくには、体重を3キロ落とさないとジャンプが跳べないからと告白している。

 

「生徒を使い捨てにするロボット工場」の批判も

 こうしたエテリチームの生徒たちの不健全ともいえる実情は、これまでも各方面から伝えられてきた。生徒を使い捨てにするロボット工場、という批判の声もあった。

 だが次々とチャンピオンを育てていくには、ある程度仕方のないこと、と関係者の誰もが受け止めていたのだろう。何よりコーチとして彼女が残してきた実績は、誰にも否定できないものだったからだ。

 パンデミック直前の、2019/2020年シーズンは、トゥトベリーゼの「3人娘」、アリョーナ・コストルナヤ、アンナ・シェルバコワ、アレクサンドラ・トゥルソワの3人がジュニアから上がってきた。それぞれ出場したGP大会2試合で優勝し、GPファイナル、欧州選手権の表彰台を独占した。

 

 このままのメンバーで北京オリンピックまで行くのか、と思われた。だが思わぬ展開が待っていた。

 

ワリエワの金メダルの前に立ちはだかったもの

 

 こうしたエテリチームは、様々な批判を受けながらも支持されてきた。勝ちたい生徒たちは、結局彼女の元に戻ってきたことからも、それは明白だ。

 今シーズン、ジュニアから上がってきた15歳のカミラ・ワリエワは、能力も成績もまた別次元の選手だった。北京で新女王になるのはワリエワ、と世界中が予想していた。筆者も五輪予想記事で、ワリエワが金メダルを逃すとすれば、彼女の前に立ちはだかるのはおそらく人間ではなく、健康上の問題、と書いた。

 もちろんヴィンセント・ジョウ(アメリカ男子)の身に起きてしまったように、誰もがさらされているコロナ陽性になる危険性についての懸念だったが、ドーピング陽性という結果は、まさに青天の霹靂としか言いようがない。

 

ドーピング事件の焦点は、ロシアの“いわくつきの医師”

 これほどの騒ぎになったワリエワのドーピング事件は、今後もIOCとISUにとって大きな頭痛の種になることは間違いない。

 WADAがどこまで調査をして、どのような結論を出すのか。特に焦点となっているのは、ロシアのチームドクター、フィリップ・シュベツキー医師である。2008年夏季北京オリンピックで、ロシアボート連盟の医師を務めていた彼は、アンチドーピング規則違反で処分を受けたいわくつきの人物。NHK杯でウサチョワが負傷した際に、抱きかかえて運んだ長身の男性といえば覚えている人もいるだろう。北京でもフィギュアスケーターたちに同行しているが、特に彼に対して今後厳しい捜査が行われることは間違いない。

 

フリーでは重圧からかミスが目立ち、総合4位に終わったワリエワ ©JMPA

 

 ロシアはすでにソチオリンピックでの組織的ドーピング違反容疑で、IOCから国家としての参加を禁じられている。だが実質的に禁じられたのは国旗と国歌の使用だけで、こうしてロシアの選手たちは競技参加を続けてきた。

 大国ロシアに対してはIOCもあまり厳しい姿勢を示すことはできず、ISUも現在副会長でフィギュアスケート理事である長老、アレクサンドル・ルケルニクはロシア出身だけに、この一件をどのように納めるのか注目される。

 

シニアの年齢制限ルールにも影響する可能性

 だが今回ワリエワが要保護の年齢であることを理由に北京オリンピックの継続参加が許された事実は、シニアの年齢制限ルールに大きな影響を与えるだろう。

 現在はオリンピックの前年の7月1日までに15歳に達していることが条件だ。だがジュニアあがりの身体の小さな少女がメダルを取って早々に怪我を理由に引退、というケースが何度か続いたため、シニアに上がる年齢を引き上げる案は、これまでもISU総会で提起されてきたが可決されなかった。

 WADAが16歳未満は要保護としていることを理由にCASがワリエワを擁護したことにより、シニアの年齢を要保護ではない年齢に引き上げるべきという声が、世界中の関係者からあげられてきている。

 

 次の2026年ミラノコルティナオリンピックまでに、ルールが変更されるかどうか注目される。

 

ワリエワのケア、トゥルソワの今後…エテリチームの未来は?

 飛ぶ鳥を落とす勢いだったエテリチームに対する評価は、ワリエワのドーピング事件により暴落した。これからの選手だけでなく、過去に彼女が育てた選手たちも、しばらくの間は疑惑の目で見られることは避けられないだろう。

 ワリエワが禁止薬物を摂取していたのなら、水分の摂取まで管理していたコーチ陣が知らなかったということはあり得ない。これはいつから、どのくらい行われていたことなのか。組織的なものなら、ワリエワが単独のケースとは考えにくい。

 また懸念されるのは、まだ15歳のワリエワの今後である。失格にすれば本人に取り返しのつかない害を与えるとCASは裁定したものの、取り返しのつかない害はすでに受けてしまったように見える。世界中で自分のニュースが流されたというプレッシャーを、真っ向から受け止められる15歳など、この世に存在するわけはない。今後薬物に対する身体のケアはもちろんだが、専門家による心のケアも必要になってくるだろう。

 また「二度と氷の上に立たない」と言ったトゥルソワはどうするのか。その後のミックスゾーンでは、「一時の感情で口走ったこと。世界選手権をどうするかなどは、これから考える」と答え、またコーチとの関係は「誰との関係も変わっていない」とコメントした。

 

 エテリチームの今後は、WADAの捜査がどのような展開を見せるかにもかかっている。名誉回復のチャンスが与えられるのか、あるいは何か大きな改革を強いられるのか。

 これからしばらく、社会の厳しい目にさらされることが予想される。

 

 

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ーーーーーー(以上引用終わり)ーーーーー

 

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