シューベルトの亡くなった日
11月19日
●シューベルト 1797年1月31日 ~ 1828年11月19日
フランツ・ペーター・シューベルトはオーストリアに生まれた大作曲家。わずか31際の生涯で、膨大な作品を創り、後世に多大の影響を与えた。
世界の音楽史上五指に選ばれる天才作曲家だ。少なくともバッハ・モーツアルト・ベートーヴェン・に継ぐ大天才と称される。
シューベルトの残された作品の数々のうちの多くは「彼岸の世界」に達している。彼岸に達しているというのは、天才達の作品に共通するものだが、いわば人間の世界を超えたところに通ずるという意味である。
バッハの作品しかり、モーツァルトの作品しかり、ベートーヴェンの作品しかりである。人間の世界を超えたところというのは曖昧な言い方だが、天空の世界と言ってもいいし、あっちの世界と言ってもいい。あるいは「死後の世界」でも「神様の世界」でもいい。神秘的な空気が漂っている。彼らの音楽を聴いていると「永遠性」と言うものを感じさせてくれるのだ。
バッハの世界は論理的でバロック様式美にあふれているステンドグラスの向こう側から陽の光が差し込んでくる教会の内部のようだし、モーツアルトの音楽は単純なメロディがすでのこの世を離れたところにあり怒濤のように彼の音楽に巻き込まれる。ベートーヴェンは努力の人で、その努力で、だれもが書きえない天上の世界の高みにまで音楽を高揚させている。
ベートーヴェンとほぼ同時代にあったシューベルトは、わずか31年の生涯をおくり、自分が亡くなるほんの少し前にべートーヴェンの葬儀にも参加し、その棺を担いだといわれる。
ベートーヴェンを神のように崇め尊敬したが、作る音楽はまったく別の角度から「神の世界」を表現したようだ。
バッハは65年の生涯で1,000曲あまり、モーツァルトは35年の生涯で700曲あまり、ベートーベンは56年の生涯で150曲あまりの作品を残した。
シューベルトはモーツアルト同様に短命であったが、わずか31年の生涯で、バッハ並の1,000曲を超える作品を残している。
曲数が多いから偉いというわけではないが、死後100年200年を超えて未だに聴かれ続けている音楽を創造するというのは並大抵ではない。やはり、シューベルトの人生の短さは特筆に値する。
一度シューベルトの音楽の世界にはまってしまうと抜け出せなくなる魅力にあふれている。
昨日は、歴史に残る大天才のシューベルトの音楽を一日中浴びるように聴いていた。
・交響曲第8番 「未完成」
・交響曲第9番 ハ長調「ザ・グレート」
・最後の3つのピアノソナタ
・弦楽四重奏曲「死と乙女」
・ピアノ五重奏曲「ます」
・ピアノのための「楽興の時」
・ピアノのための「即興曲」
・劇音楽「ロザムンデ」
・歌曲集「冬の旅」
・その他の歌曲「糸を紡ぐグレートヒェン」「魔王」など
などなど、手持ちの古いレコードを聴き出したら、止まらなくなって、夢のような一日があっという間に過ぎてしまった。
シューベルトは「未完成」と呼ばれる交響曲8番や、「ザ・グレート」と呼ばれる交響曲9番の実演に触れていない。つまり、自分で作った作品なのに、演奏を聴かずに死んでしまったのだ。
天才が、後世の人々が「凄い!」と感嘆するような音楽を創りながら、その音楽を聴かずに死んでしまった。なんという人生の皮肉なのだろう。
だが、これは想像だが、シューベルトは作品を創っている時にすでに、心の中(あるいは頭の中)で、これらの曲を存分に聴いていたのではないだろうか。
同じく大天才だったモーツァルトは自分の作品について、「僕は音楽を楽譜に書きつける時には、音楽はもう完成してしまっているんだ」と語っている。音楽を聴くまでもない...ということだろう。天才のなんとも凄いところだ。
後のフランスの第作曲家ベルリオーズはシューベルトを愛し尊敬し多大の影響を受けたという。
また、ドイツの第作曲マーラーは、あまりにも美しい旋律を次々に生み出す才能に恵まれ、仲間達から「第二のシューベルトだ」と呼ばれたという。
シューベルトの作品は、すべて紹介したいところだ。シューベルトの命日を偲んで、いくつか聴いていただきたいと思う。
その彼岸の音楽が聴いている方に届きますように。
youtube
SCHUBERT : Musical Moment No.3 in F minor - Barenboim
Schubert - Symphony No 8 "Unfinished"
フルトヴェングラー指揮ウィーンフィル
Marche Militaire Op. 51/D. 733 No.1
クナッパーツブッシュ指揮 ウィーンフィル
Schubert - Symphony No 9
ミュンシュ指揮 ボストン交響楽団
どうぞ、ゆっくりお楽しみください。
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