■刻々と迫っている「貧困化」

 

 20年後には、生活保護費の総額は9兆円規模になるという。2020年現在の生活保護費は総額で3.6兆円というから、約三倍だ。

 

 これは、コロナによる経済停滞も原因のひとつだが、国の(自民党・公明党の)政策による、非正規社員の拡大のためだ。

 

 ほんの10年~20年前までは「非正規」社員など、ほとんどいなかった。ところが竹中平蔵という悪党が出現し、阿倍晋三という大悪党が政権をとってから、あれよあれよというまに「非正規」だらけの社会になってしまった。いまでは全体の46~47%の労働者が非正規社員とされている。

 

 「非正規社員」というのは、正社員ではなく、契約社員だったり、派遣会社から派遣された社員だったり、とにかく正社員と同等の「補償」のない労働者達だ。

 会社がいらないと考えれば、すぐにクビにできる。正社員より安い給料。ボーナスなどない。退職金もない。各種手当もない。

 

 これは竹中が「クビにできない社員などいらない」という理屈で正社員を減らし非正規率をどんどん上げるように政府に提言し、自民公明の政府は、この提言を採用して産業界に働きかけた。その結果、産業界は「人件費の圧縮ができる」「会社の内部留保ができる」など経営社側に都合の良いことばかりなので、政府の提言に従い、正社員数を減少させ、非正規ばかりの企業が続出した。

 

 この結果、貧しい社員が多数増えることになった。そこへ「コロナ」の圧迫がせまって、苦境に立った企業はさらに非正規化を拡大していった。

 

 労働者の半数近くが「非正規」というのは、異常な社会だ。ほどんどの非正規社員は、貯蓄すらできない、ぎりぎりの収入で生活している。

 

 これでは、将来の見通しも立たないし、老後の生活など考える余裕もない。その結果、とくに老人たちが「生活保護」に頼らざるを得なくなるわけだ。

 20年後の2040年には、生活保護が3倍にも膨れ上がるという試算だ。

 

■物価高が「貧困化」に拍車をかける

 

 このところの物価高は、尋常ではない。ガソリンの値上げに始まり、小麦の値上げ、牛肉の値上げ、電気・ガス・水道などの公共料金も上がる一方。庶民の生活の糧である食料は軒並み値上がり。

 

 ところが、労働者の収入は増えないどころか下がるだけだ。

 

 日本は現在は「安い店」がまだ多く、貧困化した人々の救いになっているが、これもまもなく沈没するだろう。

 諸物価の高騰に「安い店」が対応しきれなくなるのは時間の問題だ。いまは「デフレ」のように見えるが、まもなく「インフレ」の嵐がやって来る。

 庶民は、必要なものすら買えなくなる可能性がある。

 

■コロナは収まったのか?

 

 世界の情勢と比較すると、日本の新型コロナ感染者の激減は普通ではない。世界の各国で「感染者の最多更新」が報道される中、日本だけは「コロナは収まった」だから、来年にはGOTOキャンペーンを実施すると息巻いている。

 

 このまま収まるはずがないと多くの専門家は見ており「第6波」が来る来ると毎日のようにTVでは放送されているし、コロナばかりでなく従来の「インフルエンザ」の大流行も見込まれるとして警戒を呼びかけている。

 

 国は、ワクチンの投与をこれからも継続したい考えで、ブースター接種とかいってワクチンを3回目以降も投与する計画だ。ワクチンが効くか効かないかは重要ではなく、そのことで政治家達の利権が守られればよいのだ。結果、ワクチン推進派は莫大な利権で潤うが、国民は死ぬか、副反応で苦しむか、経済的に貧しくなるかのどれかなのだ。

 

 コロナが収まろうが収まるまいが、政府は「ワクチンパスポート」などを「マイナンバーカード」に結びつけ、「健康保険証」や「銀行口座」ともヒモ漬けし、国民の資産を把握しようとしている。

 

■これから起る恐ろしい世界

 

 国民の半数近くが「非正規」のために、収入も激減、老後の生活のための資金も持てず、多くの人が「生活保護」に...。これは恐ろしい世界だ。

 残りの半数は「正規社員」だから、いいだろうということではない。国民の半数が貧困にあえぐ国は、豊かな国とは言えない。納税できる労働者が半減すれば、納税している労働者に負担が来るのだ。

 

 やがて、国も行き詰まり、1940年代に起きた「国民の資産の凍結」「銀行口座の封鎖」などをやり兼ねない。たとえば100万円を銀行口座に預けていたのに、気がついてみれば「10万円」しか残っていない...ということが起るのだ。

 

■自己の貧困対策に取り組め

 

 一刻も早く、自分の人生における「貧困対策」に取り組んでおく必要がある。

 若者たちも、これから20年も30年も先まで、今の収入が補償されているなどと思ってはならないだろう。そんなことも考えずに35年ローンで高級マンションを購入するなど狂気の沙汰だ。いま月給が30万円あるから、毎月10万円にボーナスで30万円の住宅ローンを組んで、30年後にもそれを払うだけの収入が得られると考えているとしたら「お人よし」というよりも、「不勉強」と言ったほうがいい。

 

 国も政府も銀行も、個人の資産をすっからかんになるまで取り上げようとしているのだから。

 

 以下の引用記事をよく読んでほしいものだ。 

 

 

ーーーーーー(引用)ーーーーーー

迫る就職氷河期世代の老後困窮、2040年に生活保護費の総額は9兆円規模に

11/14(日) 6:02配信 現代ビジネス

by Gettyimages

 

 世帯主が労働年齢期にあるときに非正規であると、退職金や年金が不足するため、退職後に生活保護の対象になる可能性が高い。非正規労働者の比率の推移から計算すると、2040年における高齢者向けの生活保護費は、現在の3.8倍となる。これを賄うためには、消費税率を2.5%ポイント以上引き上げる必要がある。

 

世帯主が非正規だと退職後の困窮の危険が

 

 日本人の老後生活は、主として、年金、退職金、貯蓄の3つによって支えられる。ところが、このいずれも不十分な人たちがいる。世帯主が非正規労働者である場合がそれだ。

 

 非正規労働者は、現在も恵まれない勤務環境にある。それだけでなく、退職後にも問題を抱える。まず、年金が十分でない場合が多い。そして、退職金がない場合が多い。

 

 日本では、退職金が老後資金として重要な役割を果たしている。厚生労働省の「就労条件総合調査」(2018年)によると、退職一時金は、大学卒で2156万円、高校卒で1969万円だ(いずれも、管理・事務・技術職。会社都合の場合)。

 

 また、日本経済団体連合会が2019 年4月に発表した「2018 年9月度 退職金・年金に関する実態調査結果」によると、「管理・事務・技術労働者(総合職)」の 60 歳では、大学卒が 2255.8 万円、高校卒が 2037.7 万円となっている。

 

 「老後資金として2000万円必要」という金融庁の金融審議会の報告書が話題を集めたことがあるが、こうした数字を見ると、その条件は多くの人が退職金でクリアできるように思える。

 

 ただし、それは正規雇用者の場合だ。しかも、大企業に長年勤めた場合だ。非正規だと、ほとんどの場合に退職金はないだろう。仮にあるとしても、勤務年数などの点で、不十分な額の場合が多いと思われる。しかも、賃金水準が低いので、十分な貯蓄もしていない場合が多いだろう。

 

 したがって、老後生活資金に困窮する危険がある。そして、生活保護の対象になる可能性が高い。

 

https://news.yahoo.co.jp/articles/179108aad9431412561c37babe3174b8983b55a4

 

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生活保護費に迫る コロナ禍「特例貸付」1.2兆円の衝撃

貸付総額はリーマン・ショック時の50倍以上

大山典宏 (高千穂大学人間科学部准教授) 

 

 「このままでは 国家財政は破綻する」と題した矢野康治・財務省事務次官の論文が月刊誌『文藝春秋』に掲載され、各方面に波紋を広げている。自民党総裁選や衆院選をめぐる政策提案を「ばらまき合戦のようだ」と批判、数十兆円規模の経済対策や消費税率引き下げが主張されることについて「国庫には、無尽蔵にお金があるかのような話ばかりが聞こえてくる」と指摘した。

 筆者は社会保障の専門家であり、特に市民生活を守るための財政出動は不可欠とする立場である。しかし、2020年の新型コロナウイルス感染拡大以降の政策動向をみていると、矢野氏が指摘するように「ばらまき合戦」と評価せざるを得ない現状もある。

(Oleksandr Shchus/gettyimages)

 その代表格が、コロナ禍における国による「生活困窮者向け特例貸付」である。21年10月時点で貸付額は1.2兆円を超え、生活保護費の年間予算に匹敵する規模となっており、暴力団組員による詐欺事件も続発している。

 本連載の初回では特例貸付について、なぜ「ばらまき合戦」と評価するのか、必要な人に支援の手は届いているのかという二つの側面から考えてみたい。

「実質給付!?」対面審査なしで進められる貸付

 特例貸付の総額1.2兆円は、リーマン・ショックの影響を受けた09年の50倍以上である。とはいっても、その規模は多くの人にとってイメージのつきにくい数字であろう。事態の深刻さを理解していただくために、生活困窮者への支援の代表である生活保護制度と比較してみよう。

 18年度の国の生活保護費負担金は、住宅や教育、医療・介護といった費用も含まれており、その総額は実績ベースで約3.6兆円。このうち、生活費に相当する生活扶助は1.1兆円である。つまり、コロナ禍の約1年半の間に、国の生活保護費の年間予算に匹敵する規模の財政支出が行われたことになる。

 

 特例貸付の制度は二つある。一つは、緊急かつ一時的な生計維持のための①「緊急小口資金」で貸付額は20万円以内である。もう一つは、生活立て直しのための一定期間の生活費を貸し付ける②「総合支援資金」であり、2人以上の世帯だと毎月20万円以内で、最大9カ月。①・②合わせて200万円まで無利子で借りることができる。

 

https://wedge.ismedia.jp/articles/-/24739

ーーーーーー(以上引用終わり)ーーーーーー

 

■大変な世の中になってきている

 

 いやはや、とにかく日本は社会全体が崩壊し始めているようだから、大きな音を立ててガラガラと崩れてゆくのを実感するのは時間の問題だ。

 

 あちこちの街の商店街がシャッター商店街になり始めているし、反映しているような街でもそこここの商店が店じまいしているのが見受けられる。

 コロナで飲食店関係が売上減少の煽りを受けて潰れているだけでなく、様々な業種で苦戦が続いている。

 

 大手企業も例外ではなく、東芝は会社を三分割するようになったし、トヨタは業績を落としているし、ソフトバンクは大赤字だし、枚挙に暇がない。

 

 社会全体がお手上げという状況になるのは目に見えているのである。

 

 そんなこんなもエゴの塊のような自民党や公明党に投票する人々がいる結果だ。つまり、いまの政治でよいと国民が決めたのだ。

 

 現状では、軌道修正のしようがないので、じわじわと国民生活は厳しくなってゆくだろう。「貧困層」が増えてゆくだろう。貧しい老人たちを、若者たちも支えられなくなってきている。

 

 生活保護を貰っても暮らせなくなる時代は目前なのである。

 

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