■訃報 さいとうたかお氏 劇画家 84歳 すい臓ガン

 

 おそらく日本では知らない人はいないだろう劇画家さいとうたかお氏が亡くなられた。84歳、すい臓ガンだったそうだ。代表作「ゴルゴ13」の連載で昭和の劇画界に華々しく活躍された。

 

 「最も発行巻数が多い単一漫画シリーズ」のカテゴリーでギネス世界記録に認定され、今年2021年7月には「ゴルゴ13」201巻が発行された。

 

 晩年にはTVドキュメンタリー番組などで取り上げられ、その製作現場も放映された。

 劇画を作るに当って、徹底した調査と世界情勢に関する緻密な情報蒐集や判断が大きな要素となることを語っておられた。

 

 あらゆる種類の「銃」の模型を集めて、実際にそれを手に取り絵に描いた。その徹底ぶりには驚かされたものだ。

 

 劇画のコマの一つ一つにも徹底した製作姿勢で、どの場面で自動車が現れて、どの場面で爆発するかまで計算し尽くしたプランで製作を行っていた。

 

 「ゴルゴ13」が多くの読者をとらえて離さないのは、その緻密さと徹底ぶりなのだろう。一分の隙もない構成に目が離せなくなる。

 

 まるで良くできた映画を観ているような、あるいはそれ以上の臨場感があった。

 

 

 84歳とは、若過ぎる。もっともっと作品を生み出したかっただろうと思う。読者は、もっともっと見たかったと思う。

 

 スタッフとビッグコミック編集部が、遺志を継いで続編を作ると言っているが...。さいとうたかお氏亡き後では、もうそれはさいとうたかおの「ゴルゴ13」ではない。どうか、無理に続編を作ろうとはしないで欲しいものだ。

 

 昭和を生き抜いた優れた一人の人として、永く我々の心に残る人だった。

 

 

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さいとう・たかをさん死去、84歳 24日に膵臓がんで「ゴルゴ13」継続 

9/29(水) 13:18配信 日刊スポーツ

 

さいとう・たかをさん(2013年11月13日撮影)

「ゴルゴ13」で知られる劇画家さいとう・たかをさん(本名・齊藤隆夫)が24日午前10時42分、膵臓(すいぞう)がんのため亡くなった。84歳だった。29日、小学館のビックコミック編集部と、さいとう・プロダクション公式サイトで発表した。葬儀は新型コロナウイルスの感染状況を鑑み、親族のみで執り行ったという。「ゴルゴ13」の連載は、さいとうさんの遺志のもと、スタッフと編集部が協力して今後も継続の予定だという。

 

【写真】21年7月5日、「ゴルゴ13」201巻が発売され「最も発行巻数が多い単一漫画シリーズ」のカテゴリーでギネス世界記録に認定された、さいとう・たかを氏

 

さいとうさんは、1936年(昭11)11月3日、和歌山県和歌山市生まれ。1955年(昭30)に「空気男爵」(大阪・日の丸文庫刊)でデビュー。貸本向け漫画誌の中心的な存在として、大阪で精力的な活動を続け、60年の「台風五郎」の大ヒットで不動の人気を獲得した。

 

その後、活動拠点を東京に移し「さいとう・プロダクション」を設立、作品制作過程における分業化をはかり、脚本部門を設けるなど、プロダクション形態の劇画制作システムを構築。代表作に「ゴルゴ13」(『ビッグコミック』で連載中)「鬼平犯科帳」(『コミック乱』で連載中)「仕掛人藤枝梅安」「影狩り」「無用ノ介」「サバイバル」「雲盗り暫平」などがある。「ゴルゴ13」で75年に第21回小学館漫画賞、02年に第31回日本漫画家協会賞・大賞を受賞。03年に紫綬褒章受章、04年に再び「ゴルゴ13」で第50回小学館漫画賞審査委員特別賞受賞、10年に旭日小綬章受章。18年に「ゴルゴ13」が連載50年を迎え、同年、和歌山県文化表彰文化賞、19年には名誉都民の顕彰を受ける。同年に第23回手塚治虫文化賞特別賞を受賞し、20年で画業65周年を迎えた。社団法人日本漫画家協会理事も務めた。

 

「ゴルゴ13」は、国籍不明の超A級のスナイパー「ゴルゴ13」ことデューク・東郷の活躍を描く劇画作品で、68年11月29日発売の「ビッグコミック」(小学館)新年号から連載を開始し、今年で53年目を迎える。制作過程を分業制にし、これまで延べ50人以上の脚本家がシナリオに協力。その時々の“今”を切り取ったリアリティーを追求した作品作りに取り組んでいる。現在も「ビッグコミック」にて連載中で、ストーリーは600話超、「ゴルゴ13」シリーズの累積発行部数は3億部を超えている。

 

6月5日には単行本の201巻がリイド社から発売され「最も発行巻数が多い単一漫画シリーズ」のカテゴリーでギネス世界記録に認定された。同カテゴリーで16年にギネス世界記録に認定された、秋本治氏の漫画「こちら葛飾区亀有公園前派出所」(集英社)の200巻を上回った。さいとうさんはギネス世界記録認定の際、コメントを発表し「これからも、続けられる限り、体力が持つ限り描き続けたいです。『ゴルゴ13』は私の作品であると同時に、読者のものでもありますからね。いつも待ってくれている読者のために、一話一話ひとつずつやっていきたいと思います」(コメントは原文のまま)と、この先の創作への意欲を、強く訴えていた矢先の死だった。

 

https://news.yahoo.co.jp/articles/c244a9a3e2949017351a44c929f6ed3a18142895

ーーーーーー(以上引用終わり)ーーーーーー

 

■外務省安全対策マニュアル

 外務省は、絵画に渡航するビジネスマン向けに「安全マニュアル」を作成するのだが、「ゴルゴ13」を参考にしている。

 また、ある商社では、海外勤務する社員に「ゴルゴ13」シリーズを読んでおくように命じたという。

 

 それほど、ゴルゴ13は海外情勢に詳しく、また対処の仕方を教えてくれる希有な本だったのだ。

 

◇youtube

 

 

 

 

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【追悼】ゴルゴ13のさいとう・たかを氏「最終回は私の頭の中にしかない」 生前明かした人生最大のポカとは?

さいとう・たかを

2021/09/29 15:36 週刊朝日

筆者:石原壮一郎

 

劇画家のさいとう・たかを氏

「ゴルゴ13」で知られる劇画家のさいとう・たかをさんが9月24日、すい臓がんで亡くなった。連載していたビックコミック編集部が29日に発表した。週刊朝日では生前、さいとうさんの人生を振り返るロングインタビューを実施。劇画家としての矜持を語っていた。故人を偲んで、一部を再掲する。

 

◇◇◇

あのとき、別の選択をしていたなら──。ひょんなことから運命は回り出します。人生に「if」はありませんが、誰しも実はやりたかったこと、やり残したこと、できたはずのことがあるのではないでしょうか。昭和から平成と激動の時代を切り開いてきた著名人に、人生の岐路に立ち返ってもらい、「もう一つの自分史」を語ってもらいます。今回は劇画家、さいとう・たかをさんです。

*  *  *

 劇画は、特に昔は「ひとりで描くもの」という固定観念が強かった。映画で言ったら、チャプリンみたいな天才ばかりを探しているようなものです。

 この世界でも手塚治虫先生みたいな天才は出ますが、分業にすればもっともっとたくさんの作品を世に送り出すことができる。それに、絵は描けるけど話が作れない、話は作れるけど絵はうまくない、そんな人がいつの間にか消えていくのをたくさん見てきました。それはもったいないし、天才しかやれないなんていうのは、職業とは言えません。

 私がほかの劇画家仲間と一番違っていたのは、劇画を「職業」として考えていたこと。その意識があったから、劇画で初めて「分業体制」を取り入れました。映画は監督がいて脚本家がいてプロデューサーがいて集団で作っていく。そんなふうに劇画の世界を変えたかったのです。

――昭和35年にさいとう・プロダクションを設立。新しいスタイルでの作品作りをスタートさせた。

 一応、分業化の先鞭はつけられたと思うけど、「まだまだやれたはずだ」という思いもあります。グループ分けして、それぞれで描いていったらすごい数の作品が作れたんだけど。結局、「さいとう・たかをのさいとう・プロ」になってしまった。

 

 入ってくるスタッフにとって、私はあくまでライバルなんですよね。もっとプロデューサーに徹することができたら、劇画の世界は大きく変わったかもしれない。そこは劇画家人生最大のポカでしたね。

――代表作の『ゴルゴ13』は、今年で連載50周年を迎える。単行本は現在、189巻を数える。

 

https://dot.asahi.com/wa/2021092900050.html?page=1

ーーーーーー(以上引用終わり)ーーーーーー

 

■日本はまたひとり、惜しい人を失った

 

 ゴルゴ13は今年7月には201巻が発行された。おそらく、これが最後だろうと思う。

 さいとうたかお氏を偲びながら、もう一度読み返したいと思うが、なにしろ膨大な量だ。

 最新刊から読み直すのがいいかもしれないな。

 

 心から、哀悼の意を表したい。 

 

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