聖火リレー 大音量、マスクなしでDJ…福島の住民が憤ったスポンサーの「復興五輪」

2021年3月26日 22時04分 東京新聞

 

 新型コロナウイルス感染症に国民が不安を抱える中、「復興五輪」の象徴として福島県からスタートした東京五輪聖火リレー。初日の25日に沿道で取材した記者が目にしたのはランナーより目立つスポンサー車両による「お祭り騒ぎ」だった。(原田遼)

スタートした東京五輪の聖火リレーで、聖火ランナーの前を走るスポンサーの宣伝車両などの車列 =25日、福島県いわき市

◆大音量で「ズチャ、ズチャ、ズチャ」

 小高い丘にひっそりと立つ市営陸上競技場。ここがいわき市の聖火リレーコースの出発点となる。私は競技場から約200メートル下り、中腹の沿道で聖火が来るのを待っていた。

 最初に小型車が来て、「もう少しでランナーが来ます。大声は控え、拍手で応援しましょう」とアナウンスされた。沿道の隣にいた浦山義直さん(71)に話し掛けると、「次男がランナーの伴走者に選ばれているんだ」と目を輝かせている。

 しかし、森の陰から「ズチャ、ズチャ、ズチャ」と大音量の音楽を響かせ、やってきたのは大型トラックだった。真っ赤に塗られた車体に「コカ・コーラ」の文字。リレーの最上位スポンサーだ。

 

◆飛沫が落ちそう

 車両は「コンボイ」と呼ばれる宣伝用の改造車らしい。荷台部分の上部分にDJ(ディスクジョッキー)が乗り込み、マイクで叫んできた。「福島のみなさん1年待ちました」「踊って楽しみましょう」。DJはマスクはつけていない。沿道と距離は近く、観覧者に飛沫(ひまつ)が落ちてきそうだ。われわれには「大声を出すな」と言っていたじゃないか。

 車両は早歩きくらいのスピードでのろのろ進む。並走し、10人ほどのスタッフ(マスクは着用)がダンスを披露したり、観覧客にタオルを配ったりしてくる。コロナ禍の最近は、接触を避けようと街でティッシュ配りも見なくなったけど…。

 

◆「これはちょっと違うんでねえか」

 ほかの最上位スポンサーであるトヨタ自動車、日本生命、NTTグループの「コンボイ」が続いてやってくる。「ゆず」や「EXILE」の曲をかけ、こちらはマスクを付けたDJが負けじと声を張り上げる。いくつもの音楽と掛け声が重なり、かなりうるさい。

福島県大熊町大川原地区で行われた東京五輪の聖火リレー =25日、福島県大熊町で

 

 「これはちょっと違うんでねえか」。隣で浦山さんがしきりに首をひねっていた。「復興五輪って感じはないですね」。私がそう聞くと、「全然違う。しらけてしまう」

《中略》

歩道が狭い場所では隣同士の肩が触れ合うほど「密」が生まれていた。やはりランナーより先に来る宣伝車に対し、観覧客も驚く。

 

◆スポンサーのコロナ対策「できていない」

《中略》

スタートした東京五輪の聖火リレーを見ようと集まった大勢の人たち =25日、福島県南相馬市で

 

 企業は協賛金を出す見返りとして、宣伝活動をしており、過去の五輪でもこうしたパレードが各地で行われていた。沿道では「盛り上がっていい」という声も複数あった。

《中略》

 この日、リレーの沿道で見られたのは「商業五輪」「スポンサーファースト」の象徴ではなかったか。リレー後の組織委の会見で「これが復興五輪、ウィズコロナにふさわしい演出なのか」と質問すると、中村英正大会開催総括は「そういった意見を地元と相談して、みんなにとって良い聖火リレーにしたい」と淡々と答えた。(原田遼)

 

◆「ランナーの応援が目的」聖火リレーの最上位スポンサー

 聖火リレーの演出に関するスポンサー各社の反応は次の通り。

 

 日本コカ・コーラ「コンボイによる演出はランナーの応援が目的。グッズの配布は観覧者の記念になってほしいという思いから、スタッフの手指消毒を徹底して行っている。25日はDJが沿道と十分な距離が取れていると判断してマスクをしていなかったが、沿道の安心を重視し、26日からマスクを着用させている。現時点で批判の意見が届いているかについては答えられない」

 トヨタ自動車「地域の代表であるランナーの応援と、実施される地域への感謝の思いを伝えたかった。今後批判が届けば、意見として受け止めたい」

 日本生命「宣伝車のパフォーマンスはランナーを応援するのが目的。感染症対策を徹底し、安心安全な運営に尽力している」

 NTTグループ「担当者に確認中」

 

 

 

https://www.tokyo-np.co.jp/article/94041

 

ーーーーー(以上引用おわり)ーーーーーー

 

■所詮は金儲け スポンサー企業の宣伝活動

 

 各企業は「ランナーを応援するのが目的」というお題目らしい。

 住民には「密を避けて」「大声を出さないで」「静かに応援して」と要求しながら、金を出しているスポンサーは「大音量」でDJまでマイクで大声で、宣伝用大型トラック・コンボイの車列を並べている。

 詳しくは、上記東京新聞の記事を参照していただきたい。

 どのように読んでも、震災での被災地の復興のため、国民のためのオリンピックではなく、スポンサーのための「街宣活動」のようだ。

 

 TVではほとんど、この様子を報道されていなので、おおくの国民は知らされない。

 

 スポンサーにしてみれば、莫大な金を出しているんだから「何をしようといいだろう」ということなのだろうが、このコロナパンデミックの最中に開催強行をしているのだから、せめて近隣住民が「これは違うだろ」と思うような宣伝活動を控えるべきではないだろうか。

 

 聖火ランナーが車列に隠れて霞んでしまうような大型コンボイ軍団を組んでの宣伝イベントはいかがなものか。

 

 これから全国各地につないでゆくわけだが、このまま進んでいけば、心ある国民からの反発は避けられないのではないか。

 

 スポンサーの目線で見れば、森さんに説得されて大会組織委員会にスポンサーとして莫大な金額を投入し、人材も投入している。せめて宣伝活動ぐらいさせてもらわなきゃ...というところだろう。

 

 コロナの影響で、オリンピックは延期されるわ、金はその分余分に出さなきゃならないわ、本業でのコロナの影響によるマイナスはあるわで、踏んだり蹴ったりなのだ。

 

 いずれにせよ、「国民の祭典」ではなく「スポンサーのための祭典」なのだ。

 

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