拳振り上げ感情爆発「メルケル首相」厳戒ロックダウンの成否

12/15(火) 12:01配信 新潮社 フォーサイト

12月9日、連邦議会での演説で珍しく感情を露わにコロナ対策への協力を訴えたメルケル独首相。その思いは国民に届くのだろうか (C)EPA=時事

 

 ドイツのアンゲラ・メルケル首相が12月9日に連邦議会で行った演説は、歴史に残るだろう。普段は冷静沈着なメルケル首相が、珍しく感情を露わにして国民に対しコロナ対策への協力を求めたからだ。普段のポーカーフェースを脱ぎ捨てた、彼女らしからぬ演説は、今日のドイツの事態の異常さを際立たせた。

 

https://www.fsight.jp/articles/-/47594

 

 

 

 

 

 

■ガースーとメルケルの天地の違い

 

 普段は感情を顕にすることはほとんどないといわれるドイツのメルケル首相が感情をあらわにして演説をした。

 この演説の中でメルケルは以下のように感情を込めて述べている。

 

「科学者たちは、クリスマス直前の時期を、市民の接触を大幅に減らすために使うべきだと訴えています。子どもたちの就学義務を一時的に廃止して、冬休みを早めることを批判する人もいるでしょう。しかし我々はパンデミックという100年に1度の災厄に襲われている今、オンライン授業など緊急的な解決手段を見つけるべきです。もしも我々がクリスマス前にロックダウンを始めず、人々と接触し続けることで、今年が祖父母との最後のクリスマスになったとしたら、我々は重大な間違いを犯すことになるでしょう。そうした事態は絶対に避けなくてはなりません」

 

 この記事の著者は、コロナ禍をめぐる戦況が日に日に悪化する中、(メルケル氏は)ポーカーフェースの仮面をかなぐり捨てたと記述している。

 メルケル氏の危機感がいかに大きいものであるかは、彼女が演説中に、ドン・ドン・ドンと音がするほど机を何度も叩き、こぶしを振り上げることでも現れていた。 ようはメルケル氏は本気なのだ。こんなメルケル氏の姿を見て、感情を動かす演説を聞いて、ドイツ国民は「このクリスマスが祖父母との最後のクリスマスにならないように」と、真剣に思ったことだろう。経済よりも命を大切にする政策(自粛やロックダウン)も当然と考えるだろう。

 

 こういう本物の政治家を首相に持ったドイツがうらやましい。

 

 

 一方、わが日本はどうだろう。へらへらしながら「みなさん、こんにちわ。ガースーです。」とテレビのインタビューに生出演したスガ首相。

 そのうえ「GOTOですが、中止などは考えていません。人の移動で感染することはないと専門家会議から以前に言われてますから」と、ふざけた回答も。

 

 あまりのことに、日本中がおどろき、そしてあきれた。

 毎日、感染者が過去最高となり、重傷者が増え続け、死者も増え続けている日本だ。

 

 さすがのNHKまでが、支持率が40%にまで下がったと報道。あのNHKがだ。支持率急落を伝えた。

 

 

 ネットでは、ガースーの不埒な態度に批難の嵐となった。

 

■その翌日に「GOTO中止」の報道

 

GoTo停止、国交省や観光庁徹夜で対応 「仕方ないけど…」

2020.12.15  産経新聞

 

 菅(すが)義(よし)偉(ひで)首相が14日に発表した「Go To トラベル」の全国一律の停止は、所管する国土交通省や観光庁の現場には発表直前まで伝えられていなかった。突然の決定を受けた関係省庁はトラベル事業の停止に伴うキャンセル料補償の割合などの詳細を詰めるため徹夜で対応。国交省関係者は「いきなりですよ…。大変ですよね。仕方ないけど」とつぶやいた。

 

https://www.sankei.com/economy/news/201215/ecn2012150029-n1.html

 

 

 

 

 

 一部のTV報道では「首相、苦渋の決断」などと報道していたが、なにが「苦渋の決断」だ。

 テレビ報道は、本当の腐り切っている。首相の顔のどこに「苦渋」があるのだ。へらへら顔しかない。なにが「決断」なのだ。さも、重大なことを決断したがごとく報道する姿勢に怒りすら感じる。ただ単にガースーは「決めた」だけじゃないか。

 

 それにしても「遅い」決定だ。各都道府県知事は国民に対して「自粛」を呼びかけ、飲食店にも「時短営業」を呼びかけ、みんなおとなしくしていろと言うのに、国はGOTOで旅行に行って経済活動をしろという。矛盾も甚だしい。

 

 税金を何兆円も使って、経済活動をするといいながら、混乱の極みのGOTO企画。

 

 それを「支持率が下がった」から、ネットでの「評判が悪過ぎる」から、次の選挙に「影響する」から、という理由で中止する。

 

 しかも期限付きだ。12月28日から1月11日までだそうだ。

 

 2週間ばかりGOTOを中断して、今の新型コロナウィルスの感染拡大が収まると思っているのか。

 

 結局のところ、やったり中断したりを繰り返していたら、経済政策にはならず、税金の無駄遣いになるだけだ。政治家も官僚もバカばかりだ。

 

 つくづく、ドイツ国民がうらやましいと思った。

 

 それでも、国民の40%が支持しているらしい。信じがたいことだ。

 

 医療従事者はクリスマスも年末も正月もないくらいに大変なようだ。

 

 救いようの無い首相だし、政府・官僚だ。なんとかならないものか。