キャロル・キング
キャロル・キング(Carole King, 1942年2月9日 - )アメリカ合衆国のシンガーソングライター。
キャロル・キングはアメリカの20世紀後半を代表する大歌手の一人だ。その半世紀にわたる歌手活動で、大ヒットを連発し、さまざまな賞も獲得、名誉溢れる存在。現在、すでに78歳。いいおばあちゃんになっているが、その栄光は衰えることがない。
◆コロナに関してのメッセージ
そのキャロル・キングが、この「コロナウィルスのパンデミック」に関連して、Youtubeでメッセージを発信していた。
A Message from Carole King - So Far Away 2020
彼女は昔から、自分でピアノを弾いて歌う、いわゆるシンガーソングライターだ。
彼女の力強い歌の力とメッセージに、心が打ち震えるほどの感動を覚えた。
さすがに声は、やや衰えたが、78歳のおばあちゃんの魂の歌声だ。
この素晴らしさを、ぜひ、一人でも多くの方に聴いていただきたい。
◆言っていることに感動、歌に感動...。
この映像を見て多くの人が感動を受けているようだ。
彼女の言っていることに感動を覚える人もいるだろうし、
彼女の歌そのものに感動する人もいるだろう。
私のように、彼女の年齢と姿を見て彼女の存在そのものに感動してしまうものもいる。
とにかく、人生の後半期にこのようなパンデミックに巡り合わせて、それでも人のために
淡々と、静かに語り、若い頃に作った歌を、心を込めて歌っている。
この姿に、感動せずにはいられない。
私は、しばらく言葉も出ないほどだったのである。
◆日本では...。
日本でも、多くの芸能人やスポーツ選手たちが、YoutubeやSNS等を利用して、それぞれが自分の得意分野を披露して「メッセージ」を発信しているが、このキャロル・キングのような感動は、一人としてなかった。
◆どこが違うのだろう。
すっかり、考え込んでしまった。
なぜ、感動できないのだろうか。日本の芸能人でも、スポーツ選手でも、発信している内容は「みなさん、ステイホームを守ってがんばりましょう」ということでは一致しているのだけれど、胸を打つものがない。
なぜ何だろうなと考えていて、いくつか思い当たるものがあった。
つまり、キャロル・キングは、パンデミックそのものへの危機感や、パンデミックで苦難を受けている人々への共感に溢れているのだ。
彼女の歌そのものに、祈りが込められている。魂の底からの「愛」が伝わってくる。コロナウィルスの大流行(パンデミック)に直面している世界への危機感、それに立ち向かっている人々への共感、そしてなによりも、人間への愛に溢れているのだ。
聴いていて、ぞくぞくする。打ちのめされるほどの感動だ。
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それと比較しては、気の毒だが、日本の芸能人やスポーツ選手の「メッセージ」はメッセージとして何かが足りないと思う。
やっていることは、キャロル・キングと変わらない。キャロル・キングは自分ができることは「歌」だから歌を歌う。
日本の芸能人やスポーツ選手も、それぞれ自分ができることをやっている。
家での運動の仕方、家で美味しい御飯を作る方法などさまざまだ。そして最期は「コロナに負けないでガンバロー」と元気な声で叫んでいる。
なのに、感動を呼ばないのは何故だろう。
そうか、かれらの場合は「自分たちが仕事を失う危機感」だったリ「自分たちがファンから忘れられてしまう危機感」なのだ。だからメッセージがヒステリックに聞こえるのだ。
いまコロナに直面して大変な思いをしている人たちへの共感は伝わらない。彼らへの「励まし」が伝わらない。
これからの世界の激変に対する危機感や、不安・恐れなどが伝わってない。
やっていることに「愛」や「祈り」が(あるのだろうけれど)伝わってこない。
こういう違いだったのか。
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こういう「メッセージ」を見ている日本の子どもたちは気の毒だなと思う。
「愛」を学ばずに、「料理の仕方」や「家の中での運動の仕方」だけを学習している。
これでは、愛や思いやりのある立派な大人になんかなれない。ますます、日本人は独善的なエゴイストばかりの国になってしまうような気がして心配でならない。
なにしろ、学校のリモート授業(インターネット使った授業)で、家にいても授業の時は「制服」を着ろと命令するような国だからねえ。
教育の根底に「愛」や「思いやり」や「共感」といったものが欠けているんだろう、きっと。
コロナ禍をきっかけに、そういう部分での変革が為されなければ、日本の未来は、とてもたいへんなことになるような気がしてならない。
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キャロル・キングの歌を聴いて、さまざまなことを感じ、考えたことだった。