異国が交差する、最後の朝
シンガポールでの3日目の朝。
パンパシフィックの窓から眺める景色も、今日で見納めだと思うと少し寂しさが込み上げる。
最終日のテーマは「散策」。
この国の本当の面白さは、隣り合う街を歩くだけでガラリと世界が変わる、その多様性にある。僕ら家族は、さらに深い異国の香りを求めて街へ繰り出した。
アラブストリート:黄金のドームと、色彩の迷宮
最初に訪れたのは、アラブストリート。
目の前に現れたモスクの巨大な黄金のドームに、家族全員の目が釘付けになった。青い空に輝くその姿は、ここが東南アジアであることを一瞬忘れさせる。
伝統的なバティック(ろうけつ染め)や香水の瓶が並ぶ店先からは、甘くスパイシーな香りが漂ってくる。ただ歩いているだけで、五感が心地よく刺激される時間だった。
リトルインディア:神様に見守られて
次に足を運んだのは、リトルインディア。
アラブストリートの静謐な雰囲気から一転、そこは色彩と活気の爆発だった。 スリ・ヴィラマカリアマ寺院に刻まれた、無数の神々の彫刻に圧倒される。
ここで、僕はあるものを手に入れた。
象の頭を持つ知恵と繁栄の神様、「ガネーシャ」のお守りだ。
この旅が無事に終わることへの感謝と、これからも家族が幸せであるようにという願いを込めて。
手のひらに収まるその小さな神様は、僕らにとってこの旅を象徴する、大切なしるしになった。
ジュエルの滝と、帰国の途
旅の締めくくりは、チャンギ空港にある「ジュエル(Jewel)」だ。
ガラスのドームから降り注ぐ、世界最大の室内滝。
クラウド・フォレストの滝とはまた違う、計算し尽くされた建築と自然が融合する圧倒的な光景。
落ちていく水の音を聞きながら、この数日間の出来事を家族で語り合った。
寝不足で始まった初日、チキンライスを求めて彷徨ったこと。
27階の窓から見た夜景、USSでの笑い声。
すべてが、この滝の飛沫(しぶき)のように美しく、僕らの記憶に刻まれている。
また来る、その日まで
家族4人でのシンガポール旅行。
「Life sketch」として綴ってきたこの旅の記録も、ここで一旦筆を置くことになる。 日本への帰国便を待つ間、不思議と疲れよりも「また来たい」という心地よい充実感が勝っていた。
妻と二人の娘。
それぞれの感性で切り取ったシンガポールが、重なり合って一つの大きな思い出になった。 次にこの国を訪れるとき、僕らはどんな景色をスケッチしているだろうか。 それまでは、このガネーシャのお守りと共に、日々の暮らしを丁寧に歩んでいこうと思う。
ありがとう、シンガポール。
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この旅で使ったスーツケース!

