JUNとバーベキュー -35ページ目

JUNとバーベキュー

只今、新シリーズ執筆中

『ん~、歩きゃ結構距離あるよなぁ、カンボジア側のイミグレまで』



容赦無く照り付ける太陽の下、地図で見る限りは徒歩3分くらいに感じる距離を、今にも脱水症状になりそうな思いで歩くオレ。
カジノホテルのエントランスから一瞬流れて来た冷気が、いい歳こいてまだこんな旅を続けているオレを正気にさせる。



(うわああ~~~……なんつー気持ち良さなんやろ。くっそ~、こうなったら一か八か勝負賭けたろかなぁ?んで、運良く大勝ちしたら予定を変更して、アヤ坊と二人でサムイ島のトンサイベイコテージにでも直行……待てよ、由紀ちゃんと京ちゃんはどうすっか?…ま、この二人には帰国してからオイキムチでもやっときゃいっか♪よ~しっ!そうと決まったら、早速一万円一発勝負いってみっ…)


『ハ~イ、コニチハー!VISA取レマシタラ、アチラニ行クトイミグレーションガアリマス!』


(ぬあっ!!…クッソ~、人がせっかく明るい未来についてシミュレーションしているところに何だオマエはっ!VISAを取ったらオマエみたいな汗ずぶ濡れ男になんか用はねえんだよっ!あっち行けっ、シッシッ!!)


『ハイ、アソコガカンボディア~ノイミグレーションデスネ!アソコガ終ワリマスト、カンボディ~アデス。ワタシ、ニホンゴドデスカ?』


『…まぁ、上手やね』


『オ~!アリガトゴザイマチタ!ソリデハ、アソコニ皆様ハVISAヲ見セテ下サイ♪』



なぁ由紀ちゃん。

アンタのバッグに鋭利なもん入ってたら今すぐ貸してくれ、2分で戻るから。







『……ぐはあああ~~っ!やっとカンボジア入国やな~、長かった~』


『わ~いわ~い!カンボジアだ~!イェ~イ♪』



アランヤプラテートのタイ側イミグレーションを数十倍貧相にした様なカンボジアのイミグレーション。
そこを出た途端、目的地であるシェムリアップはまだまだ先だというのに、何だかもう今日のノルマは達成してしまったような気持ちになってしまっていた。
なんせこの時点で時刻は既に午後2時半。
2時間の時差を足すと日本を出てからもう14時間が経過し、しかもその間一睡もしていないのである。とにかくしんどい。



『1ドル!1ドル!ヤスイ!』


『安い?何が安いの?』


『コールドウォーター、ヤスイ、1ドル』


『安くねえっつーのっ!タイなら30円だろがっ!……ま、いっか、一本ちょうだい』



イミグレを出てすぐの場所にあるバス停。
オレ達は何故だかそこでターミナル行きのバスを待っていた。
今考えてみれば何かに取り憑かれていたとしか考えられないが、それは思い過ごしでは無いだろう。
そう、タイ側のイミグレを出てからというもの、オレ達にはずっと悪霊が付き纏っていたのである…



『オ~!Welcome to Cambodia!ドゾ、次ノバスガ来ルノデスカラ、ソノバスニ乗ルト、ターミナルニ行キマス。ガバメントノ無料バスデスカラ、FREEデス!』


(また出たよ…。つかコイツ、さっき自分は国家公務員だみたいな事言ってたけど、こうやって自由に出入りしてるって事はあながち嘘でもないんかな?どう見ても客引きの底辺ホストにしか見えへんのやけど)



カンボジア側の街・ポイペトに入った途端、例の調子でオレ達に近寄り、ノリに任せて握手の手まで差し出して来るカンボジ君。止めてくれ、気持ち悪い。



『無料のバスって国営か?んで、それに乗ってどこのターミナルまで行く訳?』


『YE~S!バスハ無料、ガバメントダカラ無料デスネ。少チ乗ッテミマスト、バスターミナル着キマス。ソコカラ乗リマスネ、シェムリアップ行キノバス』


『いやいや、オレ達はバスじゃなくてタクシーをチャーターすっから』


『ハイ、タクシーモソコカラデス』



ジャングルで母親とはぐれたクロテナガザルの様な顔をしたカンボジ君の話によると、今オレ達が座っているバス停は国営無料バスの発着場であり、そこから出るオンボロバスに乗ってしばらく行くと、郊外に大きなバスターミナルがある。
アンコールワットのあるシェムリアップに向かう旅行者は、みんなそこからバスやタクシーに乗り換えて目的地に向かうそうだ。



(う~ん…国営って事さえ表記が無いから嘘か本当か分からんけど、確かに他のパッカーもさっき出たバスに根こそぎ乗って行ったもんなぁ…。つーことは、一応国営ってのは嘘じゃないって事か?)



約15年前。初めてこの地を訪れた時とは、ものの見事に何もかも変わってしまったポイペト。
その変わり様は最早、ニ度目の訪問と言うにはおこがましいんじゃないかという様な、不思議な気分にさえなってくるほどである。






(つか、な~んかおかしいんよなぁ…。何なんやろ?この感覚。昔来た時のカンボジアとは絶対何かが違うんよなぁ。この街がデカくなったとか国境が整備されたとかそんなんじゃなくて、何かこう……何なんやろ?これ)






いくら国境が整備されて立派になろうがカンボジアはカンボジアだ、そこは揺らぐ事は無い。
ただ、何かが圧倒的に違う。








オレがその何かに気が付くまでに、それほど時間は掛からなかった。









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シェムリアップまでチャーターしたタクシーと記念撮影するアヤ坊。
旅に出ると、人は何故こんな中古車と写真に写りたがるのか?
誰か教えてく....いや、どうでもいっか。











『コレカラ、ドチラニ行キタカッタデスカ?』


(また妙チクリンな日本語使うバカが出てきたな…)


『私ハ、ガバメントデ働イテイルノデスカラ、アナタ達ハ何処ニ行クノモ快適デス』


『VISAオフィス』


『OK、VISAオフィスハスグソコデスカラ案内シマス。アナタ、Englishダイジョブデスカ?』


『ダイジョブ。場所だけ教えてくれたらいいよ』



離れて見たら爽やか系。間近で見たらただのバカといった感じのカンボジ君。

そいつが操る難度2の日本語を頭の中でトランスレイションしていると、湿度の高い暑さも相まって軽い認知症になりかけてくる。
どうでもいいけどカンボジ君、上から下までタイトな黒っぽい服で決めてるつもりか何か知らんけど、とりあえずその胸元3つ目までオープンにしたスタイルは止めといた方がいいぞ。
心斎橋辺りでキャッチに励むブサイクホストみたいで、とにかく気持ち悪いから。



『ここがVISAオフィスです。VISAは一人20ドルです』



話す言葉を英語に切り替えた途端、水を得たカッパの様に突然流暢になるカンボジ君。
なら最初っから英語で話せよ、VISA取る説明くらい特別難しい単語なんか必要無いとかいう以前に、オマエの日本語聞いてると自分の国籍忘れそうになってくるだろうが。



『おぅサンキュ、ありがとね。んじゃサヨナラ』


『コチラデVISAノ手続キガ終ワリマスノデ、ソノ時ニハ、アチラノイミグレーションニマデ歩クト…』


(分かった分かった!つかその日本語もどきはいい加減止めろっつーのっ、頭がおかしくなりそうだからっ!)







『なるほどな、こりゃ気が付かへん訳やわ』



大通り沿いにある、計画性も何も無いと言った感じの粗末なビル。
正にそこがオレ達の探していたVISAオフィスだったのだが、この界隈では一番需要がある機関だと言っても過言ではないにも関わらず、そこには一目でVISAオフィスと分かる表記が何も無い。
やはり腐る根っこも生えてないようだな、カンボジア人には。医者行け。



『What do you want?』


(VISAに決まってんだろが)


『どんなVISAが欲しいんだ?』


(んなもんアライバルVISAに決まってんだろが!オマエの娘にうつつを抜かしてる短期のボランティア青年か?オレはっ!)



何人かの白人と韓国人パッカーが待っているだけの館内。
そこには2台の大型扇風機が無造作に置いてあり、そのうちの1つは鼻毛の飛び出たグータラ職員が占領している。



『まずパスポートの写真をコピーさせてもらう。その後、この申請書と800バーツを窓口に渡せ』


(あら?800バーツでよかったんか。も少し高いんかと思ってたけど結構安く済んだな、ラッキー♪)



カンボジアのVISA取得に関しては幾つかの方法があり、国境でのトラブルを避けるのには予めネットで取得するのが間違いないとも言われている。

もちろんカンボジア大使館がある東京に住んでいる人なら直接窓口に行けばいい事なのだが、それにしたって住んでいる場所によっては大使館までの交通費や、そこに行くまでの面倒臭さを考えるとネットの方が楽でいい。
ただ、ネット上には偽のサイトなんかもチラホラ出没しているらしく、金を振り込んだはいいがそれっきりだったなんていうトラブルも多発しているらしい。

ま、どっちにしてもオレ達は大阪在住。それだと郵送料がバカ高いのだ。だから今回は行き当たりばったりの現地取得をチョイスする事にした。



『一人800バーツだって。バーツだと千バーツくらいかかるって聞いてたけど、意外と安かったね。賄賂で揉める様子も無さそうやし……何か拍子抜けすんなぁ』



今回のメンバーにはハッキリ伝えていなかった国境職員による賄賂ねだり。

国や場所によっては、言い値を支払わないと難癖を付けて通過させないといった獣以下の連中も存在するのだが、オレが知っている限りではそんなクズが存在する国境は年々少なくなっている。
というよりも、手口そのものが如何にも偶然を装ったタイプにシフトチェンジしていると言っていい。
この時もそうだった。



『順さん、VISAの代金って800バーツでしたよね?』


『うん、何で?』



己の漁に納得が行かないゴマアザラシみたいな表情でそんな質問をしてくる京ちゃん。
由紀ちゃんからカツアゲでもされたのだろうか?



『みんな別々で千バーツずつ渡したんですけど、まだお釣りを貰ってないんですよ…』


『はあ!?』



とっくに手続きを済ませて、「さあ行くぞ」というテンションかと思いきや、そこにはどうしていいのか分からない状態の”世界一騙しやすい方々”が立ちすくんでいる。

なぁアヤ坊、「お釣り下さい」くらい英語で話せなくてどうする?
そんな事じゃこれからイサオの通訳も任されんぞ。



『どのオッサンに金渡したんや?』


『え~っとぉ……あ、あそこで話してるヤツです』



施設の正面口で他の欧米パッカーと話し込んでいるデブオヤジ。
その腹には、こうやって旅行者からかすめ取ってきた釣り銭で飲み食いした物が詰まっているのだろう。



『おい』


『うん?』


『お釣りの200バーツ返せ』


『お釣り?……あ~あ~、お釣りな。んで、何人分だ?』


『3人分』



特に悪びれる様子も無く、あくまでも忘れていた事を装うバカオヤジ。
ヤツが開いた財布の中には、無造作に折り畳まれた100バーツや500バーツが山ほど入っていた。
これだから途上国の公務員というのは国境で働きたがるのだ。








『行こ』







笑顔は天使、心は泥棒。

これこそが今のカンボジアという国を象徴するスタイルだ。





そしてこれより、





オレ達は、そのスタイルに嫌と言うほど付き合わされる事になる。











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目指すはアンコール・ワット!
が、既に帰りたくなって来たんですけど、オレ。





『Hello、コニチハー!VISAトリマスカー?』


『取るに決まってるやろが、うっさいんじゃアホ!』



タイ側のイミグレを40分以上かけて通過し、タイとカンボジアの中間にあるカジノエリアに入るオレ達。
これからカンボジアに入国するには何をさておいてもまずVISAを取得しなければならないのだが、それを代行してやると言いながら法外な手数料をかすめ取るバカ連中達はやはり健在だった。

ま、場所が場所だけに、こういう下らない生き物はいつまで経っても絶滅しないものなのだが、それにしてもこれだけインターネットが発達した世の中にまだこんな手に引っ掛かるバカがいるという事実の方が問題である。



『VISA!VISA!コニチハ、アニョハセヨ!ヤスイネ、VISA』


『うっせーな、あっち行けっ!』



相変わらず人より10メートルほど遅れて歩く京ちゃんを背に、なかなか見当たらないVISAオフィスを探しながら汗臭い詐欺師どもを優しく恫喝するオレ。
カンボジア政府よ、今すぐコイツらにまともな仕事を用意しろとは言わんが、とりあえず代わりのTシャツを用意するか、それが無理ならそこら辺の川に放り込んでやってくれ。とにかく臭過ぎてさっきからマジで鼻がモゲそうだからっ!



(うぅ~……どうでもいいけど何なんやろ?この妙な暑さは。また頭痛くなって来たぞオイ…)



3月や4月の暑季に比べれば幾分マシとは言え、やはりここは年がら年中暑い東南アジア。
しかも、その中でも最も暑いと言われるタイ東部の国境である。雨季を迎えて少しは日光もぼやけているようには感じるが、その分を補う様に襲って来る湿気は日本の夏の比ではない。



(アカン、本格的に熱中症になりそうやわ。こりゃサッサとVISA取ってサッサと入国せん事にはマジでヤベェぞ、オレ…)



訳の分からんトレッキングに参加してブッ倒れるならともかく、こんな普通の道路でまさかのギブアップなど絶対に許されない。つか、普段からもっと運動しとけっつーの、オレ。



『う~ん、おっかしいなぁ……。どこにあるんやろ?VISAオフィス。あっ!あそこにツーリストインフォメーションもどきがあるわ、良かった良かった』



昔の国境など見る影も無い変わり様に、何がどこにあるかなどサッパリ分からなくなっているオレ。
周りに見えるのはこの場所に全く不似合いなドデカいカジノホテルや、その前で生ゴミを拾ってはその中から食える部分を探している痩せ細った子供達。
そんな光景を見ていると、嫌が上にもここはもうタイでは無いという事を思い知らされる。



『VISAオフィスってどこ?』


『んあ?』


『んあじゃねーっつの。VISAオフィスだ、VISAオフィス!』


『……パスポートを見せろ』



炎天下の下、白い無地のテントにツーリストなんちゃらとか書かれた場所に座っていた二人のカンボジアンコップ。
それがまた見るからに仕事の出来なさそうなマヌケ顔なのだが、それにも増してマヌケなのは、何でこんな特別区域で一々パスポートの提示を求める必要があるのかという事だ。バカじゃねえのか?コイツら。



『…OK、VISAオフィスは100メートルほど向こうだ』



オレ達が今来た方向を指差して、偉そうにパスポートを返す税金泥棒。
タイといいカンボジアといい、本当にロクなもんじゃねぇな、警官ってのは。



(はあああぁ~~……行き過ぎてたんかよ……。つか解りやすくしとけよ、VISAオフィスくらい。オマエらボンクラクメール人は観光産業でメシ食ってる様なもんだろうが。それが何で観光客が分からん様な街の造りにしとんねんボケェ!)







『Hello!ニホンジンデスカ?』






暑さとバカにウンザリしているオレの目の前に突然現れたインチキ爽やか系。






思えば、この時点でオレは忘れていた。






観光客を相手にするカンボジア人なんて、みんな泥棒だという事を…













JUNとバーベキュー
談笑する3人を見ながらふと思った。
今現在、「世界で一番騙しやすい日本人」in CAMBODIA






『ボーダー!』



トゥクトゥクの運ちゃんが地面を指差し叫ぶ言葉に、「分かっとるわい」と小さく呟いて下りるオレ。
渡した70バーツに満面の笑みを浮かべる運ちゃん。
なぁ、現地人相手にコツコツやった方がいいんじゃねぇか?



『ひゃあ~…すっかり綺麗に整備されて、昔のイメージとはかなり変わったなぁ…』



オレ自身アランヤプラテートに来るのはこれで3回目。そのうち1回は国境には来ず、小さな市街の安ホテルでムーンウォークの真似をしたりチャーハンを食ったりして寝ただけだ。


ところが今は、やはり乱立してきたカジノの影響なのか、特にタイ側の国境ゲートは新築かと思えるほど綺麗に整備・拡張されている。
見掛けだけはアンコールワットを模したりして立派に見えるカンボジア側とは、えらい違いである。



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恐ろしく立派なタイ側の出入国ゲート。
が、働いてるのはもちろんタイ人。
と言う事は.....




『何年ぶりなんですか?ここに来るの』


『う~ん。あんまりよく覚えてないけど、もうかれこれ15年くらいにはなるんかなぁ?』



これまで使って来たパスポートという物を、ほとんど無くして来たオレ。
大体、貧乏旅行に執念の炎を燃やすバックパッカーというのはただのスタンプコレクターが多いので生涯大事にしているもんなのだが、オレにとっちゃ使えなくなった古いパスポートなど何の意味も無いただのゴミだ。

それが紀行本を出版するために必要だとかいう、ライターの様な職業に就いている人なら話は別だが、オレみたいな飲食業をやっている者にとっては何の役にも立たないし、それを他人に見せびらかして自己満足するような悪趣味も持ち合わせていない。だから今までのパスポートは、期限が切れたらすぐに捨ててしまっていた。



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部屋を整理していたら奇跡的に残っていた旧パスポート。
読めないだろうが、右上に「一日オーバーステイ」みたいな事が書いてある。
いや勘違いしてただけだって、ホントに。




大体あのスタンプ集めしている奴らというのは、一体何がしたいのかがそういう事に全く興味の無いオレにはサッパリ分からない。
安宿なんかで出会う奴らの中には特にそんな変人が多く、頼んでもいないのに己のパスポートを開いて見せてきたり、「これも大分ボロボロになって来ちゃったなぁ…」などと、半分ニヤけた様な眼差しで見つめたりするのだ。オレから言わせりゃ気持ち悪いとしか言いようがない。



「一年しか経ってないのに、いつの間にかスタンプ増えましたねぇ」



てな事をイミグレの前でボソッと呟く京ちゃんを見ていると、パスポートに押されたスタンプなんて物については、これくらいのリアクションが普通だろうと思ってしまう。
こんなもんを集めたって人生のプラスになる様な事は何一つ無い。
要は、その旅が自分にとってどういう意味があったかを考える事が出来ればいいのだ。

今回のタイ奇行にカンボジアを突っ込んだ理由。
それは、タイという旅慣れない者でも気楽に過ごせる国だけじゃなく、「史上最悪の独裁国家は、簡単に言うとこんな感じだったんだよ」みたいな感じで、少しでもホントの社会見学らしいソースを織り込みたかったからなのだ。

ま、この旅の八割は遊び半分の観光だとしてもそれはそれで計画通り、ずっと笑っていられる旅にするのがオレの役割だと思っている。

が、残りの二割は他のメンバーが少しでも考え込んでしまう様な、そんな側面を持つ旅にしたい。この旅を計画している間、オレはずっとそんな事を考えていた。



『カンボジアに滞在するのは二日だけやし、観光に費やすのは一日しか無いからさぁ、現地では車をチャーターしてツアーで周るから』


『アンコールワット以外にも周れるんですか?』


『いや、遺跡にはかなり時間を取られるから、他には行けたとしてもトンレサップ湖くらいになると思うけどね。ま、黙ってても途中で色々出て来ると思うけどな、内戦の爪痕っていうか、それに関する様な話がさ』


『ふ~ん…』








タイ側のイミグレに溢れ返る旅行者の波。





そこに混ざるバックパッカーの二割はただのスタンプコレクターだろう。アホは格好で分かるものだ。





そしてこの後、それまでのほほんと構えていた三人は、意外な所でカンボジアの現実に触れる事になる…











JUNとバーベキュー
タイ側のイミグレを抜けると、そこはカジノだった....
つか変わり過ぎだって、ポイペト!




JUNとバーベキュー
訳の分からんショベルカーに遭遇。
これがカジノの景品だとしたら金を積まれても要らん。