皆さんは、"BOM"という言葉から
何を連想するだろうか?
・・・爆弾?
もし組立て製品の製造業に
何らかの関わりをもっている方ならば
"部品表"と即答するのではないだろうか。
BOM: Bill Of Materials
すなわち製造業で用いられる
部品表のことである。
ITの領域でも
BOMシステム開発やBOMデータ移行の
プロジェクトは良く引き合いがある。
実はこのBOMというのはかなりの曲者で
人によって捉え方が異なり
しばしば混乱の元になる。
正に"爆弾"を抱えていると言ってよい。
BOMは製品の部品構成を示すデータなので
たいていは設計部門がオリジナルを
管理することになる。
一方で、
製造、保守部門はもちろんのこと
生産計画や在庫管理にも関係するため
営業、企画、調達部門にも参照される
非常に重要なデータなのだ。
そんな重要なデータならば
共有データベース(大福帳)に
入れたらええやん!
と簡単に捉えがちだが
そうは問屋がおろさないのだ。
そもそも各部門が必要とする部品構成は
それぞれの業務の都合によって違う。
例えば、
製造部門は加工•組立ての都合で
BOMを組み替えるだろうし、
調達部門も在庫を調べた上で
できるだけ一括で部品発注したい。
だから、
設計、製造、調達、保守のBOMは
それぞれ構成が異なり
部番や図番なども発番ルールが
違ってたりする。
これは、
PLM(製品ライフサイクル管理)領域で
ずっと昔から問題にされてきた大命題で
PDM(製品データ管理システム)の機能と
業務ルールの改変により
少しづつ改善してきた歴史がある。
一方で、
最近はERP(基幹系情報システム)の導入で
経営や間接部門のシステム統合が
進みつつあるが
PLM領域でのBOM連携の歴史を知らずして
大上段から責められる事案が多くみられ
現業部門と間接部門とが
ぶつかり合うケースが増えてきた。
たぶんここで、
ハッキリしないといけないのは
BOMのオリジナルは誰が作り
誰が責任をもって変更管理するのか?
と言うことだろう。
営業、企画、経理、調達などの
間接部門が責任もてるのならば
ERPをBOMの正にすれば良い。
しかし、それはありえないことだろう。
となればPDMの中のBOMが正であり
ERPへはその時その時の
(例えばDR:デザインレビューごとの)
複写を転送すれば良いという
考えもありうることになる。
設計BOMは水ものである。
初期段階ではかなりの頻度で構成が変わり
製造移管した後も設変はありうる。
これは、
製造、保守部門では文句を言いつつも
しぶしぶ許容してきたことである。
(一部ではDR設変交渉を"戦い"とも呼ぶ)
こういった歴史を理解しようとしない限り
これからも、ERP対PLMの領域争いは
続くことになるだろう。
